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22 準決勝ソフィア(双剣)vs聖樹(両手剣)

今回は少々グロが入ります!戦闘だと避けれないんですよね・・・・・・。

 軽鎧を着た少年がステージに立ってから観客席からブーイングが鳴り止まない。


 「うるせぇんだよ!クソがっ黙りやがれ!!」


 少年が苛立ちを(あら)わにすると、ブーイングはさらに大きくなっていく。

 しかし、少女が片手を挙げるとブーイングは次第に小さくなり、やがて誰も言葉を発しなくなった。


 「やっと静かになったね。僕にブーイングなんて、何の恨みがあるんだか」


 少年、いや聖樹は溜息をつくとさも自分が被害者かのように振る舞う。降参したアイゼンに追い討ちをしようとしたことはすっかり忘れているらしい。


 「君可愛いよね。僕の仲間にならない?胸がないから彼女は無理だけど愛人くらいならいいよ」


 「気持ち悪い。くたばれ」


 ソフィアは二振りの短剣を構えながら心底不愉快そうな表情をしている。


 「あ"ぁ!?『勇者』である僕が特別の慈悲で愛人にしてやるって言ってるんだぞ!?喜んで愛人になれよ!」


 「二股前提がキモイ。自分に対する過剰評価がキモイ。すぐにキレるから近くにいて欲しくない」


 聖樹の顔がどんどん怒りで赤くなっていく。


 「黙れ!貧乳!テメェみてぇなまな板はお断りだよ!バァカ!!」


 聖樹は負け惜しみを言い放つ。その手に持つ両手剣はプルプルと震えている。よほど頭にきているらしい。


 「準決勝を開始じゃあぁ!!」


 学園長の合図でソフィアがステージを駆ける。聖樹に正面から突っ込み、()()()()()()()()()()()()()()()()


「うわ!?」


 聖樹は慌てて上半身を傾けることで短剣を回避するが、


 「シッ」


 バランスを崩した聖樹にソフィアの右手の短剣が襲い掛かる。そして短剣は聖樹の左目を貫いた。


 「ぎゃぁぁぁ!!」


 学園長はあえて説明をしなかったが、このステージでは怪我による痛みは半分以下になるようにされている。これはあくまでも試合であり、殺し合いではないためだ。しかし、短剣で目を貫かれるという経験を、いやケンカすらまともにしたことがなかった聖樹にとって、それは紛れもない激痛だった。


 「あぁ、いてぇ!死ねぇ。ぶち殺してやるぅ!!」


 そしてそれは聖樹がキレるには十分すぎた。


 「僕に従えぇ!『聖なる精霊剣』!!」


 聖樹の両手剣がうっすらと発光する。そして振り抜かれた両手剣はソフィアの短剣を断ち切った。

 短剣を切られた衝撃でソフィアはよろめく。そのわき腹に聖樹のつま先がめり込んだ。


 「かはっ!」


 とっさに腹部を両手で守りステージに倒れ伏すソフィアを、聖樹は執拗(しつよう)に蹴りつけ、踏みつける。


 「チビで貧乳の分際で!人間モドキのバケモノのクセに『勇者』の僕の誘いを断り!馬鹿にするなんて!許されねぇんだよぉ!」



 「そこまでじゃ!ソフィア選手戦闘継続不可!セイジュ・フタバ選手の勝利じゃ!!」



 試合は終わった。しかし聖樹はソフィアを痛めつけることをやめようとしない。


 「オラッ!オラッ!最初の頃の威勢はどこ行ったんだよぉ!ヒャハハハハッ!!」


 入場口から黒い影が飛び出し、聖樹を真正面から吹き飛ばす。




 『龍化』を使用したトモヤだ。倒れたままのソフィアを抱き上げ、優しく抱きしめる。


 「遅くなった。すまん」


 「だい・・・じょぶ・・・」


 「気休めだが・・・・・・。『水魔法:自然治癒強化』」


 「あり・・・が・・・と」


 ソフィアの全身から力が抜ける。気絶しただけであることを確認したトモヤはソフィアを抱き上げたまま未だに横たわり唸っている聖樹に近づき、頭を踏みつける。


 「キサマだけは許さん。覚悟しておけ」


 それだけを告げるとトモヤは入場口へと戻っていく。


 観客達はブーイングすらせずに、ただ呻くだけの聖樹を冷たく見下ろしていた。

トモヤは滅多に怒ることはありません。彼が怒る状況とは・・・・・・。

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