19 ソフィア(双剣)vs藍(魔法使い)
戦闘回では第3者視点で書きたいと思います。
タイトルは変更しました。
ステージに立つ二人の少女。
「トモヤの隣は私」
「いいえ、あたしが隣です」
銀髪の少女は二振りの短剣を両手に構え、腰を低くしている。その立ち姿はさながら野生の獣のよう。
黒髪の少女は直立し合掌をしているだけ。一見すると何もしていないようだがその実、体内ではかなりの量の魔力が渦巻いている。
そして、戦いの火蓋が切られる。
「本戦第一試合開始じゃ!!」
合図と共に走り出すソフィア。機動力に優れた狼の獣人であることを生かした戦術といえる。一方の藍はすぐさま詠唱を開始しているが二人の距離は10m程しかない。距離はあっという間にゼロになり、二振りの短剣が藍を襲う。
「ハァッ!」
キィィィィン
金属がぶつかり合う音が響く。藍の右手には一振りのナイフ。刃渡りは10cm程しかないがその小さな刃でソフィアの左手に持った短剣はしっかりと止められていた。
「!?」
ソフィアの目が僅かに見開かれる。人族が獣人族と力で対抗したのだから当然のことだろう。
しかし、藍が止めたのは左手の短剣のみ。ソフィア右手に持たれた短剣は確実に藍に近づく。
『汝は伝わるモノ』
少女の詠唱が響く。
『パラライズ』
藍の左手が一瞬光り、ソフィアの軸足になっていた右足も僅かに光り、ソフィアがバランスを崩して崩れ落ちる。藍はソフィアの右手の短剣に触れることなく対処した。
「シッ」
藍は崩れ落ちたソフィアに容赦なくナイフを振るう。
「ンッ」
ソフィアは地面を転がることでナイフを回避し、藍がナイフを再び振る前に立ち上がる。
両者は示し合わせたように後ろに跳躍し、仕切り直す。
「意外とやる。でも開幕時の魔法は悪手」
「誉めていただきありがとう。ちなみに、あれはあなたを近づかせるための罠ですよ」
話しながらでも二人は隙を探ることをやめない。決して相手から目を離すことはなく、摺り足で横に動き、いつの間にか二人は円を描くようにゆっくりと動いていた。
ソフィアが口を開く。
「言い忘れてた」
「なんでしょうか?」
「トモヤは私の・・・・・・
婚約者だよ」
「!?」
藍の動きが一瞬止まり、目を白黒させる。しかしそれはほんの一瞬。そして緊迫した状況での一瞬はソフィアにとって十分だった。一瞬で詰められる二人の距離。藍が気付いたときには首に二振りの短剣が添えられており、身動きが取れなかくなっていた。
「おしまい・・・だよね?」
「ええ、降参ですよ」
「両者そこまで!ラン・キクチ選手の降参で勝者はソフィア選手じゃ!!」
観客席から拍手と歓声が響き渡る。
勝者であるソフィアは勿論、敗者であるはずの藍の表情も晴れやかなものだった。
今回はやや短めです。藍ちゃん動揺し過ぎなんだよなぁ。




