15 異世界(仮)にて
ブックマーク登録が5人に増えてる!?ありがとうございます!
あたしが目を覚ましたとき、最初に見たものは石畳でした。
「痛っ」
体を起こすと全身が鈍く痛みます。筋肉痛のようですね。周囲には同じ教室にいた生徒たちが15人全員がいます。いやなことに変態も。どうやらあたしが一番最後に起きたようですね。
私たちが今いる部屋は床が幅約15mの正方形で高さが2.5mの石造り。壁には等間隔で明かりがありますが蝋燭や電気の明かりとは違うようです。火のようにぼんやりと、電気のように安定した明かりのようですね。
正面には重厚な扉、他に窓や通気口はなし。酸素は大丈夫でしょうか。
「ここに来てからどの位たっているのでしょうか?」
「詳しくは分かんないけど、ウチが起きてからアイアイが起きるまでは5分くらいかな?ウチよりも先に起きてた奴いなかったし」
あたしの疑問に答えてくれたのはクラスの人気者『宮坂 サーシャ』ちゃんです。『アイアイ』とはあたしのことで、彼女があたしの名前の藍を藍と読み違えたのをごまかしてあだ名にしたそうです。名前からわかるかもしれませんが彼女はハーフです。金髪に青い目、日本人離れした足の長さは中学生では特に目立ち、所謂ギャルな人達が集まってしまっていますが本人はとっても純粋で可愛いのです!
少々脱線してしまいましたね。この部屋にどの位の時間いるかは分かりませんでしたが息苦しさはないのでそこまでの時間はたっていないのでしょう。
考えを纏めていると壁の向こうから複数の足音が聞こえきました。
「人数は15人なんだな。10人から金属の擦れる音がするから騎士かもしれないんだな。他の5人はやたら疲れてて、そのうちの1人はかなりアクセサリーが多いんだな」
意外な人が口を開きました。軍事やサブカルチャーが大好きで他のクラスメートたちからは『キモオタ』と呼ばれることもある『三島 祐樹』君です。
皆からは散々な評価をされていますがあたしは彼は頼りになる人だと感じています。胸を見てくることがあるのは減点ですが、見ないように気をつけてはいる紳士ですからね。どこぞのクズとは比べものになりませんよ。(笑)
「誰がテメェにそんなこと聞いてんだよ!そんなことわかってんだだから黙ってろやキモオタァッ!!」
キモカスが三島君を怒鳴っています。この人(?)に彼を責める権利などありません。
「あたしはわかりませんでしたよ。この状況では情報の共有は最優先だと判断します。教えてくれて助かりました。ありがとうです、三島君♪」
「菊池さんの役に立てたなら嬉しいんだな」(≧▽≦)
「ユウちゃん気にすんなっての!ウチ何人いるかなんてわかんなかったし、音だけで服装までわかるとかまじパネェよユウちゃん!」
三島君とサーシャちゃんは幼なじみですからね。しかもサーシャちゃんが三島君にベタ惚れなのです。三島君は気づいていないというおまけ付き。テンプレですかぁ!!リア充めぇ!!
ふぅ、とも兄が亡くなってからというもの、どうも情緒不安定でいけません。
そんなことをしている間に堅く閉ざされていた扉がゆっくりと開かれました。