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居酒屋の夜

警察やのうて=警察じゃなくて

土曜日・日曜日・祝日の夜はスマイル食堂は居酒屋に変わる。当然、子供食堂の運転資金を稼ぐ為もあるのだが、最初の一回だけしか会わない普段、利用している子供たちの親と一緒に酒を飲んで会話したりサポートしてくれている人々やバックアップしてくれている企業や工場の社長らに対しての感謝を伝える場にしていた。

値段も立呑居酒屋並たちのみいざかやなみに設定しているが社長連中は大概多めに料金を置いて行く。


大分だいぶんと場が盛り上がって来た時 "ガラガラ" と引き戸が開きガタイの良い男が入って来た。

「おぅ!お疲れ、翔平」西川巡査は居酒屋の日の夜は出来るだけ非番にしていた。もちろん普段は一緒に酒が飲めない兄貴分と飲む為だ。

「お疲れッス、カズさん。飲みにも来たんですけど色々分かった事があるんで報告も…」西川は受け取った冷たいおしぼりで顔を "ゴシゴシ" と拭いた。

「ほんで…分かった事って?」居酒屋の時だけ喫煙OKの店内でハイライトに火を着けながら聞いた。

「健太君が住んでたトコから学区は隣町の西小ですわ。ほんで親は行方不明で調べた所、片親で母親の名前が三宅みやけ あかね28歳」メモに視線を落としながらそこまで言うと生ビールの中ジョッキを一気に半分くらい飲み干した。

「28とはまた若いなぁ。18くらいで健太を産んどんか?」山崎は換気扇に向かって煙を吐き出した。

「えぇ!ほんで通報なんですけど警察やのうて児童相談所には三回ほどあったみたいですわ。ほんでそこで情報がそこでストップしてたみたいですわ」西川はメニューの "枝豆" を指刺しながら言った。

「情報がストップって?役所は何しとんねん」少し怒りをあらわにして雪平鍋ゆきひらなべに水と塩と枝豆を入れて火にかけた。

「それで健太君の身体のキズやら部屋の状態を見て署の方でも虐待があったと認定されました」西川は残りのビールを飲み干しからジョッキを頭上にかかげた。

「でもそんなん親なんか見つかるんか?どこ行ったか見当も付かへんのやろ?」山崎は受け取ったジョッキにビールをそそいだ。

「それが始めは巡査ハコ長と捜索手続きだけ取ろうって言うてたんですけど生活安全課の課長が事件性ありやから手配かけろってなってそんで指名手配になりました」西川は渡されたビールに口をつけた。

「指名手配って…そんな大袈裟なんか?」山崎は手際てぎわ良く鍋の枝豆をザルに上げた。

「えぇ!通報があった児童相談所に話し聞きに行ったんですけどなんや?若い男と一緒やったらしいですわ。確か…小森こもり 洋輔ようすけ23歳。ホストクラブで働いとる男ですわ。多分やけど健太君のケガもこの男が…水膨みずぶくれは恐らくタバコを押し付けて…」西川は再び視線をメモに落とながら言った。

「ホスト狂いのシングルマザー…か」山崎は思うところがあるのか視線は遠くを見つめていた。

山崎同様、指名手配とは大袈裟な…と思われた方も少なくないと思うので注釈として…


指名手配と聞けば、あの写真のヤツと想像される方もいると思いますが、あれは、公開指名手配と言います

ここで言っているのは、通常指名手配の事で、捜索手続きに比べ、刑事さん達が聞き込みなどの捜査をして本格的に捜します


捜索は刑事さんは動かず、制服警官が暇な時といえば語弊がありますが、捜査してまで捜しません


悪しからず、お読み下さい

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