表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/29

交番巡査の報告

イヤな=話題を変える為の副詞

    "あのね"の様な意味

ゴチんなります=ナインティナインの番組でお馴染みの言葉 ご馳走になります

一辺っぺん=もう一度

おちょくっとったら=バカにしていたら、からかっていたら

「おぅ、翔平か?何や?こんな時間に」山崎は少年の氏名が分かった事に感動して西川巡査に頼んでいた事をすっかり忘れていた。

「何やって…カズさん、頼んますわぁ。今日の朝の事の報告ですやんか」西川巡査は兄貴分の言葉にガッカリした。

「おぅ!スマン、スマン、スッカリ忘れとったわ!でっ?何か分かったんか?」山崎はこの流れで、吉報きっぽうが聞けると期待を込めて聞き返した。

「イヤッ、スンマセン!それが、近隣の署にも何件か問い合わせたんですけど、それらしい通報とか捜索願は出てなかったです」西川はズボンの後ろポケットから出したハンカチで額の汗をぬぐいながら答えた。

「何やねん。何も分からんかったんかいな!頼んないのぉ」山崎は弟分に関西特有の "ツッコミ" のように揶揄やゆした。

「そら、ないですわ!これでもちょっとはカズさんの力になろうと思て頑張って動きましてんで」西川はまるで少年のように口をとがらせて返した。

「スマン、スマン。夜勤明けでしんどかったやろうに。おびやって言う訳やないけど、まぁ何か食ってけや」山崎は雅代に注文を取るように目配せしながら言った。

「やったぁ、二百円でメシ食えるッスか?」西川は、またまた子供のように、はしゃいだ。

「アホか?お前からお代何か取るか?タダで食ってけ」山崎は西川とは長い付き合いのせいか、西川の好みが分かるようで、冷蔵庫からフライごろもをつけた豚ロース肉と、生姜しょうがとニンニクを効かせた醤油ダレにけ込んだ鶏肉カシワを出してきた。

「スンマセンッス、ゴチんなります。でも何かカズさん…ご機嫌ッスね?」西川は自分に力がないばかりに朗報を聞かせてやれなかったりに、山崎が上機嫌なのをいぶかしんだ。

「イヤな?ボンが自分の名前、言うてくれたんや。三宅 健太や!スマンが、この名前で明日でもエエからも一辺っぺん調べてくれへんか?」山崎はこの流れに乗って、健太の件が一気に解決してくれる事を願った。

「三宅…健太…ですね。分かりました。今度こそ何かしらの情報を仕入れれるように頑張りますわ。トンカツと唐揚げも食わせてもらえますしね」西川はメモを取りながらも悪戯イタズラ坊主のように、はにかんで見せた。

「翔ちゃん、あんまし揚げ物ばっかし食べてたら、またお腹が出て来るで」政宏が少し突き出て来た西川のお腹をいじりながら巫山戯ふざけてきた。

「何やと?お前、大人をおちょくっとったら西川巡査が逮捕するぞ!」西川も巫山戯返して答えた。

「イヤー、職権濫用やわー」本当に悪ふざけさせたら天才的な政宏だった。

「フーッ、ほんまどっちが大人か分からへんわ」山崎はいつまでも少年のような心を持つ西川にあきれ返ったようにつぶやいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ