第11話
投稿がおそくなってすみません!
「到着・・・」
「ぜぇ・・・はあ・・・なんでお前たちは、疲れた様子を見せない?はあ・・・」
殿下が息絶え絶えに聞く。
「妾たちは人ではないのです。これくらい余裕です。」
「ハクオウは?」
「・・・そうですね。ならあなたの体力がなさすぎるだけかと。」
「・・・。」
「あなたの取柄は何なのですか?」
ミアがあざけるような笑みを向けながら聞く。
「ないな・・・。」
「1つくらいはあるでしょう。」
殿下が逃げようとしたらすぐミアが声をかけ、止める。
「・・・なら、権力。」
「それ、どう考えても、」
「取柄ではないでしょう。」
ヒィスとツヴァイが顔に笑みを浮かべて言う。殿下はぐっと、詰まる。
「・・・お前たち。」
「お前たち、もう時は止めていないんだ。話していないで早く行くぞ。」
殿下が話しているのを遮り、ハクオウが話す。
「「はーい。」」
とヒィスとツヴァイが元気よく返事をする。そして、また歩き出す。
「そう言えば殿下。試験って何をするんだ?」
もう敬語を使わず、ハクオウが殿下に聞く。
「魔法とこの国の歴史のテストだ。国の歴史はまあ、あまり反映されないからいいとして、魔法は思いっきりぶっ放せばいい。」
「・・・我らが魔法をおもいっきり使ったらこの国は滅びてしまうよ。」
「・・・。」
「・・・。」
「マジ?」
「マジだ。」
「・・・絶対に本気を出さないでくれ!!」
殿下はそう願った。心の底から。
これを見ていた従魔たちは何故嘘をついているのだろうと思っていた。
ハクオウとシンリが本気を出したら国一つ滅ぶどころか、この世界を滅ぼすことができるためである。
それに気が付いたシンリは
「人には話さない方がいい。」
「わかりました。」
と言い、ミアが頭を下げる。
* * *
誰かが走ってハクオウたちへと向かってくる。
ハクオウたちの目の前に来ると立ち止まり、
「ショウ様、ハクオウ様、シンリ様そして、従魔様方、こちらへおいで下さい。あちらの方で入学テストを行います。他の方たちのテストはもう始まっています。お急ぎください。」
と言った。
「もう始まっているのか。遅れてすみませんでした。ハクオウ、シンリ、急ぐぞ。」
と殿下が言う。
「ああ。」
「・・・」
シンリは応えたがハクオウは何も答えず、歩き出した。
ではこちらです、と言いながら教師の一人は案内をする。