第10話
投稿、遅くなってすみません!!
「それ、私は入っているのか?」
殿下が少し寂しそうにつぶやく。
「はいっているわけ、ないじゃないですかー。」
ミラが笑いながら答える。
「・・・お前が私を嫌いな理由は?」
「ハクオウ・・・僕らのマスターに命令するから。竜の国、リファインや魔国だったら・・・」
「ミラ、それ以上はだめですよ。」
ミラが話そうとするのをミアが止める。
「ミア?この話って、しちゃダメだったっけ。」
「いえ、別にしてもいいんですが。そのことでハクオウ様が面倒ごとに巻き込まれるかもしれないと考えると言わない方がいいんじゃないかと。」
「そっかー。それもそうか。」
ミラはいきなり真剣な顔になり、
「ハクオウに何かあったらあなたを真っ先に殺します。・・・殿下。」
「分かった。分かった。ハクオウに無茶はさせない。」
「分かってくれたらいいんです。」
(本当、ハクオウの従魔たちはハクオウに甘いし、過保護だな。)
「ハクオウ、あと30秒で試験会場まで行くのには無理がある。」
その言葉だけでも意味を理解したハクオウは、
「カゲツ・・・頼んだ。」
「うん、ハクオウ。1分でいい?」
「ああ。」
「じゃあ、発動。」
カゲツがそう言った瞬間、ハクオウたち以外の時間が止まった。
「おお。相変わらず便利な能力だな。」
「殿下さん・・・。無駄話するなら貴方の時間も止めますよ。急いで。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「おい、殿下。道案内をさっさとしろ!」
「・・・そこの道を右に曲がって次の道を左だ。」
殿下はわざと本当の道と逆の行き方を教える。
「ハクオウ、左で右だそうだよ。」
殿下の嘘はすぐにシンリにばれてしまう。
「分かった。」