第8話
翌日、シルライト王立学園の前でー
「お待たせいたしました。殿下、シンリはどこに?」
「待ってはいないから別にいいが、来た途端それか。シンリなら・・・」
「ここに居るよ。ハクオウ。」
殿下の隣に立っていた銀髪・蒼眼の少年が言う。
「シンリ?」
「お、おはよう。」
「「「「「おはようございます、シンリ様」」」」」
ハクオウは戸惑いながら挨拶をし、従魔たちは礼儀正しく挨拶をする。
「私にはあいさつしないんだな。」
殿下がボソッと呟くと
「あなたに挨拶をする必要性が感じられません。」
ミアが冷たく言い放つ。
「・・・ミア」
「はい、何ですか?ハクオウ様。」
「学園内では殿下に対して敬語を使えよ。お前たちも。」
「何故ですか。」
「殿下は曲がりなりにもこの国の王子だ。お前たち従魔がしっかりしないと周りから僕が怒られる。」
「ハクオウ様がですか・・・なら、頑張ります。」
「「ハクオウのためならやりましょう。」」
「はーい。」
「分かった。」
5人が順に返事をする。
「お前たち本当、口調に気を付けろよ。」
殿下が言う。
「僕は言葉遣いなんて簡単に変えられる。」
「そうだなー。」
殿下が遠い目をしながら言う。
「なんだ?」
「いや、何でもない。」
殿下は冷汗をかきながら首を振る。
「お前こそ大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。教師たちにだけに少し敬語を使えばいい。」
「王子特権かよ。うざ。」
「ハクオウ、今、なんて言った?」
殿下からじろりとにらまれた。