б未亡人にはならない 共通①
「また死んだの!?」
なぜか私の婚約者は立て続けに結婚式の前日に不慮の事故に見舞われてしまう。
「いかがなさいますかアルディラ様」
それが今回で三度目になってしまったのだ。いくら私の家が富あるプルテノの公爵家とはいえ、婿になる前に死ぬので誰もこない。
「もう結婚あきらめたほうがいいかしら」
プルテノ星人は体が硬貨で出来ている。その為に結婚はなんの利益もないのだが、星連合の条約でなる丈は交流する必要がある。
プルテノは惑星連合のメインレギュラーからサブに落とされたからだ。
ただ今回の婚約者はそもそもどこかの星の貴族で親に甘やかされて仕事ができないタイプだった。
おそらくはその親がバカ息子を楽に始末する方法を考えたのかもしれない。
噂が本当ならば死ぬし、迷信なら金が入ると踏んだのだろう。
「身辺調査では私への嫌がらせや、向こうの家が恨まれている可能性はほぼないし……」
「ただの運、というのも変ですね」
他プルテノ人の婚姻でそんな呪いやらは聞かないし、どの相手も馬車や車の通る場所は平地である。
「なんで死因が崖崩れとか、ユニクゥンの馬車から転落とか、鉱物の毒を吸ったとかなのかしら」
「どうにも胡散臭い話ですね」