12 入学初日
入学式を終え、割り振りられた教室に向かった。どうやらタリエと同じクラスらしい。ちなみにクラスは1から4クラスまである。
ついでに俺はルナとヤミを連れているため非常に目立つ。
しばらくすると先生が入ってきた。どうやら実技試験の時の先生のようだ。
「私はラフォール ニアだ。担当は実技だ。よろしく頼む。今日は授業はない。一通り自己紹介して解散だ。じゃあ最初から出席番号順に自己紹介を頼む」
みんなの自己紹介を聞きながら俺は自分の自己紹介を考えていた。俺はラ行なので後ろの方だと思っていたがまさかの一番後ろだった。
「レイだ。入学式の時も言ったが冒険者の平民だが、よろしく頼む。あと、こいつらはルナとヤミだ。こいつらは俺の従魔だから手を出すなよ?以上だ。」
「質問がある。」
今まで誰が自己紹介しても質問が無かったのに俺の時だけあるとか鬱陶しい。だが、一応クラスメイトだ。聞いておくことにした。
「なんだ?」
「お前は人を従魔だというのか?その人たちが可哀想じゃないか!」
ああ。なるほど。
「ランクが高い魔物は人化できるということを知らないのか?」
「馬鹿にするな!そんなこと知っている。だが、お前のような奴がそんな魔物を従魔に出来るはずかない!」
なんて面倒くさい奴なんだ。ルナとヤミも怒りを通り過ぎて可哀想なものを見ているようだ。
「ルナ、人化を解いて。」
「いいの?」
「我がやった方が迫力があるぞ?」
「ヤミはダメだ。デカすぎる。ルナならちょうどいい。」
「分かった。」
そう言ってルナは人化を解いてフェンリルの姿になった。
「これで満足したか?」
俺は質問した、誰だっけ?まぁ、してきた奴に聞いたが、石像のように固まってピクリとも動かない。他の人も同様だった。
とりあえずルナに人化させたらみんなが再起動した。
その後一悶着あったがこの日の学校は終わった。
否、終わるはずだった。
帰りの挨拶をし、帰ろうとしたら目の前にあの人、生徒会長が立っていた。
「初めまして。改めてキャビン エナです。」
「レイです。」
一応挨拶は返した。ルナとヤミは後ろに控えている。当然俺はクラスの注目を浴びているが気にしない。
「実はあなたにお願いがありまして。」
「お願いですか?」
「はい、私と戦っていただきたいのです。」
「「「「えーーーーーーー!!!」」」」
野次馬がうるさい。とにかく話を聞いてみよう。
「なぜですか?」
「最初に言ったでしょ?生徒会長は一番強い人がなる。だから、私とあなた、どちらが強いのか決めようと思って。」
「そういうことなら我が相手をしよう。貴様のような奴の相手など我で十分だ。」
「いいなー、ヤミ。私がやりたい。」
そうだなヤミに任せるのもいいか。ついでに鑑定しておくか。
【ステータス】
ラフォール ニア
人間
レベル 78
HP 820
MP 650
STR 540
DEF 420
AGL 880
スキル
剣術 Lv5
二刀流 Lv6
風魔法 Lv5
身体強化 Lv6
なかなか強いな。でも、これじゃあヤミに手も足も出ないだろう。はっきり言って可哀想だ。
「いいよ、俺の負けで。」
「主人、ここで勝てば後々楽が出来ますよ?」
「興味ない。」
俺たちは話を打ち切り教室を出た。
会長はがっかりしていた。戦いたかったのかな?