11 入学式
登校を翌日に控えたある日、俺はパンフレットを読みあさっていた。
「ルナとヤミは俺の従魔だから一緒に授業を受けられるらしいぞ。どうする?」
「私は授業出たいな。レイとなるべく長く一緒にいたいしね。」
「我も同意見だ。主にちょっかいを出す奴がまた、現れるかもしれぬしな。主ならどうとでもなるとは思うがそのようなゴミ掃除は下の者の役目だ。我とルナで受け持とう。」
「ありがとう。助かるよ。あの馬鹿貴族はルナとヤミがトラウマになってると思うしね。」
ということで、ルナとヤミを学園に連れて行くことにした。
翌日、入学式に向かっている。昨日の夜、ちょっとだけ楽しんだ。そのせいで寝坊してしまい時間ギリギリだ。一応明記しておこう、最後まではやっていない。
「なんとか間に合ったな。」
「そうだね。あと30秒もないよ。」
「主よ、いいのか?クラス見てないだろうに。」
「何とかなるって。」
「これより入学式を始める。」
本当に時間ギリギリだ。まだ少ししか話してないのにな。
そんなこんなで話が進み生徒会長の挨拶になった。
「私はこの学園の生徒会長、キャビン エナと申します。いきなりですが生徒会長になる条件をご存知でしょうか?生徒会長は実力で決まります。7月、12月、3月に全校生徒によるトーナメント戦が行われます。そこでいい戦績を残せたものは二つ名が与えられます。二つ名持ちの特典としては授業料の免除、就職の有利などがあります。さらに、平民の人は貴族の仲間入りをするための名売りという意味もあります。それではみなさん二つ名を貰えるように、生徒会長の座を奪えるようにしっかり訓練しましょう。
以上です。」
「ありがとうございました。最後に新入生の決意。新入生代表、レイさん、お願いします。」
・・・は?いや、俺聞いてないんだけど?
ヤミとルナからは頑張って下さい、的な視線が送られてくる。そんな目で見るな。
ってか、本当に何を言えばいいの、マジで。
悩んでも仕方がないのでとりあえず壇上に立った。
「俺はギルドに所属している。ここには王国に貢献したい人達が集まったらしいけど正直興味がない。その上俺は平民だ。ここに通うのもギルドにお願いされたからだ。この話を聞いても不快に思わなかった人とは仲良くなりたいと思っている。」
ここまで言うと、ざわざわし始め、あちこちから蔑まれたり、嘲笑したりしている人がいる。タリエを見つけた。タリエは心配そうにこちらを見ている。タリエは不快に思っていないらしい。入学式の時みたいに気軽にしていられるな。あとは牽制でもしておこうかな。
「最後に、俺の仲の良い人や、従魔にちょっかいを出したらその人は死ぬほど後悔させますので。」
俺はそう言って、壇を下りた。
そして入学式が終わった。