10 主席合格
翌日、俺たちは合格発表を見に来た。
「あったよ、一番上!」
どうやらルナが見つけたらしい。一番上ということは主席か。
俺たちは合格証明書を取りに行こうとするとまた、騒がしい奴にあった。
「何!?僕が5位だと!?ありえない!僕はクラウド家だぞ!どういうことだ!」
「やめんか、騒がしい。それがお前の実力ということだ。さっさと合格証明書を取って来い。」
はーー。またあの貴族かよ。もう一人は父親か?なかなか、いい人そうなのになんであんな息子になるのかね?はーー。
「主人よどうした?何か取りに行くのではないのか?」
「そうだよ。よし行こう!」
「待て、今行くから。」
ヤミとルナはいつも通りのテンションだ。
「すみません。合格証明書をもらいに来ました。」
受付の人に尋ねてみた。
「お名前は?」
「レイです。」
「レイって、まさか満点の人ですか!?」
「何がでしょう?」
「史上初の実技満点者!今入試の主席合格。ラフォール先生が担当した生徒ですよね!知ってますか?ラフォール先生があなたの強さが気になるという理由で今担任しているクラスを他の先生に押し付けて、あなたの担任になったほどです!」
・・・・・・・なに一人で盛り上がってんだ?この人。というか俺満点なのか。あの先生も俺が何をやったか分からなかったはずなんだけど、いや、だからか?
「なんか分からないけど、すごいねレイって!」
「流石主人だな。」
「ありがと。ルナ、ヤミ。それと合格証明書をもらいたいんですけど?」
「はい!どうぞ!」
「ありがとうございます。」
そう言って学校を出ようとしたら会ってしまった。貴族に。
「貴様、あの時の平民か?よく合格できたな?うん?どうせ、ギリギリだったんだろ?入学したら俺が直々に教えてやるよ!ハハハ!」
ヤバい、笑いそうだ。我慢だ。我慢するんだ、俺!頑張れ!
「おうおう、縮こまっちゃって、可哀想にな。ハハハ!」
ヤバい、もう無理だと思った時だった。
「貴様、死にたいのか?」
辺りがシーーンとした。こちらをニヤニヤして見ていた者や、心配していた者、全員がヤミのさっきに当てられた。いや、ルナもいつもはニコニコしているのに、今は鋭い眼差しで貴族を見ている。
「な、なんだ貴様!俺はくら、」
「黙れ。我が殺してやろうか?主人は優しいからあまりやらないが、我は気にせんぞ?これが最後の忠告だ。もう突っ掛かるのはやめた方がいい。」
そうヤミがいうと、後ろにいたルナがアイスアロー。氷でできた矢を約50個作り貴族に当たらないように射た。
貴族は失禁して、気絶した。
「お前らやり過ぎだ。」
俺がそう言ってもまるで反省しないルナとヤミだった。
その後、俺はギルドで合格のことを言い、依頼を一つ受けて寝た。