表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
85/124

第四夜 天使の裁き 28

「この髪型はウルフヘアーだ!頭沸いてんのか、こんのバカ女っ!!」

「ほへっ?!」

「だいたい二文字しかあってねーだろうが!!うるち米と間違える方が難しいわ、ボケっ!!」


怒りが頂点にきた真砂は思わず叫んでしまったのだが、周りの生徒に白い目で見られ、怒鳴ってしまった事をすぐに後悔する。



「今のって…市ノ宮さん?」

「嘘だろ…、あの市ノ宮さんからあんなに下品な言葉が出るなんて…」

「つーか、なんかいつもと声違くなかった?」



(こ、この…疫病神が!!やっぱりこんな奴、災いしか持ってこねー!!)


心の叫びを知らない野絵は、少し涙目になり真っ赤な顔をしながら小刻みに震えている真砂を見て、感動してしまう。



「先輩!私の言葉に感動して…!!お昼一緒に食べましょうね。お餅たっくさん持ってきてますから!」

(こ、この女…後で絶対ブチ殺す!!)


ポジティブ過ぎる野絵に本性を引きずり出されている真砂。

その姿をいつもの定位置から眺めて、笑っている者がいた。



「あはは、本当に図太いなツッキーは。流石のエンゼルもお手上げか」


面白がる詩歌の肩に桜の花びらが一枚、また一枚と静かに降り注いでくる。

そっと掌に一枚乗せると、可憐な佇まいから春の訪れを実感出来た。

触れてみようと思ったのだが、風が吹き、あっという間に飛び去ってしまう。



「…たくましいよ、ホントに」


満足そうに笑うと、詩歌は空を見上げる。

外では弱々しい太陽が、皆に暖かく降り注いでいた…。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ