第四夜 天使の裁き 25
(背は関係無いだろ…)
嫌みを言ったのに全然効いていない。
仕方無いので観念し、彼女の方へと向き直る。
「それで何か用?!アタシ忙しいんだから、話すなら手短にして」
「あ、えと。昨日はありがとうございます。天文学部に入ってくれて私、嬉しいです!!」
興奮気味の野絵に真砂は冷ややかな瞳を向ける。
「別に、アタシは詩歌が入るって言ったから入っただけ。月とか星とか興味なんてないわ」
「でも綺麗な物が好きなんですよね?きっと先輩も興味持ちますよ」
「う…うるさいわね!用はそれだけ?だったらもう行くから」
もっともな事を言われ、反論出来なくなった真砂は踵を返し、その場から立ち去ろうとする。
昨日詩歌が二つ返事でOKした時には凄く悔しかったが、やっぱりという思いもあった。
断る理由なんて詩歌には無い。
むしろ好都合なのだろう。
この子の側にいられるのだから。
どんな理由であれ、詩歌が自分以外の女に興味を持つことが真砂は嫌だった。
どんなに駄々をこねても、泣きわめいても詩歌は彼女に近づくだろう。
だから怖い思いをさせて、魔法になんて興味を持たせないよう仕組んだのに、野絵は頭に花が咲いてるんじゃないかと思う位、能天気な態度で接してくる。




