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第四夜 天使の裁き 24
翌日、桜の舞う中、真砂は上機嫌で登校していた。
(桜はいつ見ても美しいわ。まるでアタシのよう…!!)
一人悦に入っていると、校門前に小さな少女を見つけ、途端に嫌な気持ちに陥る。
(ちっ、朝から見たくもない害虫がいるわ)
「おはようございます!市ノ宮先輩!!」
気付かない振りをして通り過ぎようと思ったのだが、向こうから元気のいい挨拶をされた。
どうしようか一瞬考えたが、めんどくさいので無視をし、そのまま通り過ぎる。
すると、勢い良く腕を掴まれた。
「市ノ宮先輩ってば!もしかして目悪いんですか?」
「ちょっと!気安く触らないでよ!!」
少女の手を払い、思いきり睨み付けてやる。
(本当、気に入らない女だわ…!!)
キツい態度で当たっているのに、目の前の女、袖ノ月野絵はニコニコと笑顔を振り撒いている。
「このアタシが視力が悪いわけないじゃない!あなたが小さいから見えなかったのよ!」
「そうなんです、私昔から背が小さくて。先輩みたく背が高ければ、もう少し月も見やすいのかなぁ。いいなぁ~」




