表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
71/124

第四夜 天使の裁き 14

声は途切れ途切れで力が無く、聞き取るのが困難だったが、瞳は強い意思を持って輝いていた。

その事が真砂の心を大きく揺らしたことに野絵は気付かない。



「は?!何言ってんだ、テメエ。頭おかしいんじゃねえのか?!」


ドスの聞いた声は更に強みを増し、野絵に恐怖を植え付ける。



「…あ、はは。そうですね、そうかも…」


力無く笑う野絵を見て、勘にさわったのか真砂は思いきり地面に投げつけた。

新品の制服は砂だらけになってしまい、悲しい気持ちと親に申し訳ない気持ちが交差する。



「ムカつく野郎だな。一偏痛い目に遭わないとわかんねえか」


真砂の瞳が剣呑に光る。

これ以上は危険だ、と察知した野絵だったが、体がすくんで動けない。



(誰か…誰か助けて…!!)

「パワーズ、やれ!!」


命令口調で真砂が叫ぶと、異形の天使が軋んだ音を立てて数歩動いた。

血を連想させる瞳がこちらを見下ろし、野絵は心臓を掴まれたような気持ちに陥る。



(助けて…)


涙が溢れ、視界がぼやける。

天使の鎖が再び動き出した時、野絵は思いきり目を閉じた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ