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Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
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第四夜 天使の裁き 11

髪をかきあげると、またしても柑橘系の香りが漂った。

人を見下す態度を続ける真砂に、野絵は今まで感じたことの無い気持ちを覚える。



「…確かに美しいものに惹かれるのは分かります。私も月が好きだから…」

「そうねー、あなたと月じゃまさしく月とスッポンだけどね」


口元を押さえ、嫌味そうに笑う真砂。



「だけど…」


今までうつむき加減だった野絵は、真っ直ぐ彼女を見据えて口を開く。



「先輩こそ醜いですね。こんな事に魔法を使うなんて…!」

「は…?何ですって?!」


彼女の均等な顔が歪むのをはっきりと見た野絵は、構わず言葉を続ける。



「成城先輩言ってました。魔法は思いの力で出来てるって!なのにこんな事に魔法を使って恥ずかしくないんですか?嫉妬のはけ口に一般人を脅すような事をするなんて、先輩こそ醜いです!!」


途中、声が震えているのが自分でも分かった。

恐怖もあったが怒りの感情が勝っていた為、どうしても反論するのをやめられなかったのだ。



(こんな気持ち初めて…。何かをこんなにも憎らしく思うなんて…)


月好きな事を馬鹿にされた事は多々あったが、イライラしたり、憎らしく思う事はなかった。

趣味は人それぞれだと割り切っていたから。




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