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第四夜 天使の裁き 8
恐怖を感じ一歩後ずさる野絵を、真砂は心底楽しそうに見つめている。
瞳の中に狂気の炎を灯して。
「まわりくどいこと嫌いだからはっきり言うわね。あなた邪魔なのよ!いらないの!!魔法使いの素質があるんだか知らないけど、あなたには無用の長物よ!!」
一気に捲し立てると、先程までの笑みはどこへやら鋭い目つきで睨み付けてくる。
「無用の長物…って。そんな…」
「魔法なんて夢のよう!素敵~!とか思ってるなら大間違いよ!とっても狂気じみて恐ろしいものなの」
(恐ろしい…?魔法が…??)
詩歌が発動させていた時魔法はそんな恐ろしいものには見えなかった。
確かに異端の力で驚いたけれども、彼はずっと笑顔で魔法を使っていたはず。
「成城先輩の魔法は全然怖くなかったですよ?」
「あなたが軽々しく詩歌の名を呼ばないで!!」
荒々しく叫ぶと真砂は頭上高く手を上げる。
「そんなに言うんなら見せてあげるわ。アタシの魔法を!パワーズ、その小娘に制裁を!!」




