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Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
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第三夜 天文学部、設立?! 27

彼の紡ぐ言葉の一つ一つが、夢のような甘美な響きに聞こえる。

ずっと聞いていたいような、だけどもう現実には戻れないような、不思議な感覚に野絵は困惑していた。



「オレは…使えるなら使いたい」


士音の一言に野絵は大きく体を震わす。

それを見ていた彼は、大丈夫だよとでも言っているかのように優しく微笑む。

詩歌の方へと向き直ると、士音は静かに、でも迷いのない口調で言い切った。



「魔法を使いたい」

「さすがはプリンス君、迷いがないな」


士音の肩を軽く叩くと、詩歌は一瞬柔らかく笑ったが、直ぐに真顔に戻った。



「…ツッキーはどうしたい?」

「わ、私は…もちろんなりたい!魔法使いに!!…だけどそれは何の為に?普通に生活していく上で使えるものなんですか?」


自分で自分の声が少し震えているのがわかった。

さっきは咄嗟な事に有頂天になってしまったが、冷静さを取り戻した野絵はあることを思い出したのだ。

彼と出会ったあの日の事を…。



「野絵…?」

「………こちらはずいぶん察しがいいな」


不敵に笑う詩歌に野絵は冷静に話を続ける。



「私、見ました。…ううん、正しくは見てはないけど。あの日あなたが何かと戦っている音を聞いたんです」

「…ふむ、それでツッキーはどう思った?」

「怖い…というより負けてほしくなかった。だから、だから私は…」


ずっと祈ってました、と言おうとして野絵はその続きを言うのをやめた。





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