第三夜 天文学部、設立?! 23
「月の平均気温は-18度だから厚着して行かないと!先輩はもう行ったことありま…」
話の途中で詩歌に頬を引っ張られ、言葉を続けられなくなる。
「ツッキー、落 ち 着 け !」
「い、いひゃい!いひゃいです、ヘンパイ…」
頬に走る痛みで正気に戻る野絵。
そんな彼女を詩歌は冷たい瞳で見下ろす。
「あのなー、俺は時間を自由自在に操れるって言っただけで、月まで空間移動出来るとは言ってないぞ!」
「……なぁんだ」
「なななんだとは何だ!俺の偉大な魔法を前にもっと違う反応があるだろうが!!」
怒りにわななく詩歌を横目に、野絵は冷めた瞳を向ける。
「月まで行けなければ、私には魔法の有る無しは関係ないです」
「お前なあ!」
「ま、まぁえっと…。あー、そういえば名前なんて言うの?」
なだめようとした士音が、ふと名前を聞いてないことに気付く。
「俺は成城詩歌だっ!」
「オレは佐山士音、詩歌とにかく落ち着いて」
なだめる士音をよそに詩歌の怒りはヒートアップしていく。
「俺の魔法を前によくそんな冷たい態度が取れるな!信じられん!そんな奴今までいなかったぞ!!それになぜお前は呼び捨て?!」
「あー、オレ上下関係って苦手…」
お久し振りです。
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