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第三夜 天文学部、設立?! 20
「あー、何が入ってるの?キョーレツ過ぎる…」
「まさか…成城先輩のロッカーなんですか?」
「違う!断じてそれはない!…と、あった!」
きっぱりと否定する詩歌に、人のロッカー勝手に開けていいのかな?という二人の思考がシンクロする。
「ここにありますは、何の変哲もないボールでござい」
掌に収まりきる位、小さな緑色のボールを野絵達に見せると、机の上で何度かリバウンドさせた。
「スーパーボールですね」
「あー、何する気?」
興味津々な二人を満足気に見ると、詩歌は不敵に笑い、大声で叫んだ。
「これが魔法だ!!」
先程より強くボールを打ちつけると、小さな球体は目にも止まらない速さで天井に向かって飛んでいく。
二人共思わず目が釘付けになる。
「クロノメーター」
詩歌が静かに呟く声が野絵の耳に届いた。
その刹那、金属音が辺りに響き、酷い耳鳴りを覚える。
「な、何?」
「野絵、大丈夫?!」




