40/124
第三夜 天文学部、設立?! 18
深く考えるより先に足が勝手に動いていた。
野絵を取られたくない、誰にも。
もう彼女を失うなんて事は絶対に―――…。
「オレは野絵を…」
大事な事を言いかけた時、野絵と目が合った。
アメジスト色の意志の強そうな瞳に見つめられ、士音は言葉を失ってしまう。
体が石のように固くなってしまい、指先がうまく動かせない。
(何で?大事な言葉が出てこない…)
喉の奥がヒューヒュー鳴り、言葉を続ける事が困難になってしまう。
「あのさ、そういう事は二人の時にやってくんない?一応俺もいるんだし」
微動だにしない士音を見兼ねてか、詩歌が明るい口調で間に入る。
「若いねー、お二人さん。見ちゃいられんよ」
「成城先輩だってまだ若いでしょ」
「そう、俺は花も恥じらう16歳!皆が羨むシックスティーンボーイ!そして青春真っ只中の魔法使いさ!」
何故か得意気に人差し指を天井に向かって突き上げると、満足気に頷く詩歌。
良く通る声が室内に響き渡り、再び沈黙が訪れた。
「二人共!そこは拍手する所だろう!!」
「えっ」
「…あー、この人頭大丈夫?」
士音が心配そうな瞳を野絵に向ける。




