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第三夜 天文学部、設立?! 15
「成城先輩ですね、えっと私は…」
「袖ノ月野絵だろ?」
「えっ、何で知って…?!」
弾かれたように彼を見ると、優しげなエメラルドグリーンの瞳と目が合う。
吸い込まれてしまいそうに澄んだ瞳で、野絵は何だか胸が苦しくなる。
(何だろ…?この気持ち…)
「悪いがツッキーの事を調べさせてもらった。袖ノ月野絵15歳、A型。身長は152cm、体重は…」
「ギャーーーーーーッ!!!!」
トップシークレットをばらされそうになり、野絵は思わず大声で叫ぶ。
建物中に響き渡ったのではないかという位、大きな悲鳴だった。
これには詩歌も驚き、思わず椅子からずり落ちそうになる。
「ああああなた、ヘンタイですか?!イケメンのヘンタイ!!イケヘン?!」
反射的に自分の体を守るように抱くと、野絵は椅子から立ち上がり、一歩後退りをした。
「ち、違う!誤解だ!!俺はイケメンだがヘンタイではない!!」
イケメンの所を強く主張すると、詩歌も慌てて立ち上がる。
「イケヘンじゃないなら何です?そっか、やっぱりあなた…」
「な、何だよ…?」
「月からの使者…、魔法使いなんですね?!」




