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第三夜 天文学部、設立?! 14
「…………彼氏?私の?士音君が??」
「あー、もういい。何となく分かった。不憫だな、シオンクンも」
「たまたま一緒に居ただけで彼氏とか安直すぎませんか?士音君に悪いですよ」
真面目に抗議する野絵に、詩歌は大きな溜め息をつく。
「はあ、そうだな。俺が悪かった。それにしてもツッキーって変わってんなぁ」
「えぇっ?!それをあなたが言います?人をこんな所に連れ込んでおいて!」
「人聞きの悪いこと言うな!」
知ってか知らずか野絵の大胆発言に、詩歌は頬を少し赤くしながら反論する。
「とにかくっ!大事な話があるんだ!大人しく聞いてくれ」
「分かりました、それで何なんですか?」
落ち着いた口調の野絵に少々面食らった様子だったが、彼は軽く咳払いし、姿勢を正した。
「えーと、じゃあまず軽く自己紹介な。俺の名前は成城詩歌。お前より一コ上の二年生だ」
ネクタイの色が赤かったので、上級生ということは分かっていたのだが、彼の丁寧な自己紹介に一応頷く。
ちなみに野絵達一年生は、女子はリボン、男子はネクタイで、共にグリーンだ。




