第三夜 天文学部、設立?! 4
「あのね、佐山君。天文学部に入ってくれないかな?」
「天文学部?」
「うん、私ね月が大好きなの!それで天文学部に入ろうと思ってたんだけど、廃部になっちゃったらしいんだ」
昨日の経緯を軽く説明し、天文学部設立の為、人を募集していることを伝えると、彼は真剣な表情で話を聞いてくれた。
「もちろん、軽音部の活動優先でいいんだ。佐山君にとっても似合ってると思うし。形だけでも入れてくれたらそれで…」
勢いこんで言ってしまったものの、自分は無謀な事をしているのではないかという思いに駆られる。
士音は何やら考え込んでしまい、腕を組み下を向いてしまった。
(やっばり駄目かぁ…)
いたたまれない気持ちで返事を待っていると、優しげな笑みを浮かべ、士音は顔を上げた。
「あー、うん。いいよ」
「はー、やっぱり駄目だよね…」
「え?うん、だから大丈夫。入るよ、天文学部」
昨日の倍…いや十倍以上のバラを、彼のバックに見たような気がした。
(か、神…!この人は神様だあぁ…!!)
「本当?本当にいいの?!天文学部に入ってくれるの…?」
「うん。でも一つ条件が…」
「条件…?うん、いいよ。何でも言って!」




