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第三夜 天文学部、設立?!
四月八日、花曇りの中、野絵は意気揚々と通学していた。
桜がちょうど満開で綺麗なのだが、全然見向きもせず、足早に学校へと向かう。
(ふっふっふっ、昨日は秘策を考えてきたんだもんね!天文学部設立の為に頑張るぞ!)
時刻はまだ7時半ちょっと過ぎ。
まだ部活動を始めている生徒がいるわけもなく、一番乗りで教室に着いた。
机に鞄を置き、息を整える。
(大丈夫、みんな地球に生きてる仲間だもん。月とか星とか月とか大好きなはず…!)
野絵なりの解釈を並べると、足取り軽く扉の前に行き、クラスの皆を待つことにした。
待つこと五分、誰も来ない。
ちょっと早く来すぎたかなーと思い、扉をそっと開け、廊下を見てみる。
(誰もいないかぁ…)
がっかりし、扉を閉めようとした時、足音らしきものが聞こえてきた。
(誰か来たっ?!)
わくわくしながらもう一度扉から顔を出すと、昨日のイケメンこと佐山士音がこちらへ向かい、歩いてくる所だった。




