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Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第一章 月の鏡
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第二夜 獅子羽高校入学 7

言葉にしなくてもはっきりと分かる。

これ以上彼に近づくなという、女子の牽制だ。



「え、えーと、では私はこれにて!」

そそくさとその場を後にしようとしたのだが、彼にバッグを捕まれ、思わず振り向く。



「あー…、ごめん。折角だし一緒に行かない?」

何故だか頬を薄紅色に染め、彼は真摯な瞳でこちらを見つめてくる。



(こ、これはもしかして…)


「深い意味は無いんだ、でもそろそろ時間だし…」

「あなた、乙女系男子ですね?!」

「違うよ?!」


またもや突飛な発言をする野絵に、今度はさすがに慌てふためく少年。



「そうですか…?私なんかより全然女子力高そうですけど…」


まじまじと彼を見ると、明後日の方を向き頭をかき始めた。



キーンコーンカーンコーン…



「あ」

「あー」


予鈴が鳴り、二人同時に呟く。



「とにかく行きましょうか」

「あー、うん。行こう」


そんな二人の様子を出会いの瞬間から、窺っている者がいた。

二階の窓から見られているなんてことは、二人は全く気付かず、慌てて昇降口の中へと消えていく。


淡いミルクティー色の髪が春風になびき、傍観者の口角が上がる。



「獅子高にようこそ。待ってたぜ、ツッキー」




春、出会いと別れの季節。

今年は出会いの方が多くなりそうな、そんな気がした野絵だった。









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