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第五夜 強襲 37
士音も立ち上がり加勢しようとするのだが、足がふらついておぼつかない。
野絵が背中を支え、彼は何とかその場に立ち止まる。
(ツッキーの能力の事を知ってる…、そうかそれで親玉登場って訳か)
敵を睨み付けると、詩歌は胸を掴みながら声を荒げて叫ぶ。
「献花!!」
巨大な白い花が再び現れ、次々とモンスターめがけて飛んでいく。
爆音の後、その場に残っているものは全て無くなり、煙だけが蔓延していた。
「…はぁ、はっ、殺ったか?!」
「成城先輩、大丈夫ですか?!」
真っ青な顔をして立ち尽くす詩歌にたまらず駆け寄ると、彼は崩れ落ちるように寄りかかってきた。
「先輩、すごい汗…無理してたんですか?」
「はは…、二人の前では初戦闘なのにカッコ悪いな」
「そんなこと…!先輩のお陰で皆いなくなりましたよ。ゆっくり休んで下さい」
玉のような汗が額から流れ出すように溢れ、苦しそうに呼吸をしている姿を見て、野絵は胸が苦しくなる。
しかし安心したのも束の間、再びモンスターが部屋に侵入してきた。
(私も二人を守らなくっちゃ!!でもカードは図書室に…、どうしよう、どうしよう…?!)




