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第五夜 強襲 36
「詩歌、すごい!!」
「ほんとだね、先輩すごい!!」
ものの二分と経たずに敵は消滅し、教室はがらんどうになるが、爆風で辺りは歩く場所もない程、木片やガラスが散在している。
「詩歌、無敵だなぁ!」
「ははっ、まあな!俺にかかればこれ位楽勝…!」
後ろ向きの為、詩歌の表情は見えないが声がくぐもっていたので、野絵は異変を感じ取る。
「成城先輩…?」
彼に近付こうとしたその時、またもや雪崩のようにアメーバが流れ込んできた。
「まだいるの…?!」
「何なんだ、この数は…?!いつもならこんなに……」
途中まで言いかけて、詩歌はあることに気付く。
(まさか、首謀者が近くにいる…?!)
いつもの戦闘だったら雑魚と言えども、数える位しか現れない。
その後にボスというお決まりのパターンなのだが、これはどう考えてもおかしい。
『瓶詰メノ天満月、瓶詰メノ天満月ヲヨコセ…!!』
「こいつらツッキーを狙ってるのか?!」
「そうなんだ、さっきも外で…。でもどうして野絵を?」




