表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
119/124

第五夜 強襲 34

その事に野絵は心底自分の不甲斐なさを恥じた。

黙りこくってしまった野絵を見て、詩歌は少し乱暴に頭を撫でてくる。



「ツッキーは女子なんだから、王子様に守ってもらうのは当然なんだよ。だからそんな顔するな」

「…でも、私足手まといは嫌です!私も皆を守れる力が…、魔法が…」


野絵自身もう覚悟を決めていたはずだったのに、最後の"欲しい"という言葉がのどの奥から出て来ず、愕然とする。

先程の光景がフラッシュバックし、血だらけの生徒達や純子の姿が脳裏をよぎる。

体が小刻みに震え出し、血の気が引いていくのが自分でも分かった。



「本当に欲しいか…?」


少し強めの口調で問われ、野絵は弾かれるように顔を上げる。

真っ直ぐな瞳に見射られ、目を反らすことが出来ない。

視線を外したらそれは、彼や魔法を否定してしまうような気がした。



(どうして成城先輩は私の考えてる事がわかるんだろう)

「ツッキーは後悔しないか?」


いたわるようなでもどこか、突き放すようなそんな言い方だった。

それでも彼の眼差しは、野絵を呪縛から解き放そうとはしない。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ