表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
109/124

第五夜 強襲 24

視界がぼんやりとし、世界が歪む。



(これは現実?夢…?何で…どうしてこんな事に?)


溢れ出る涙を拭おうともせず、立ち尽くしていた時だった。

背後からひんやりとした感触がしたかと思うと、いきなり柔らかいゼリーのような物が、体中にまとわりついてきた。



「…っ?!」


気が付いた時にはもう遅かった。

身辺を見渡すが、一面ゼリー状の小宇宙で、体は重力に反するように浮いている。



(息が…出来ないっ!)


相手を弱らせてから一思いに殺すというのが、このモンスターの常套手段なのだろうか。

恐怖が再び野絵を襲う。

死が自分に近付いている事を、この時身をもって知った。

身体を思いきりばたつかせても、この空間から逃れる事が出来ない。


(苦し…い、私死んじゃうの…?)


薄れゆく意識の中で過去の思い出が走馬灯のように甦る。

幼い頃飼っていた犬と思いきり遊んだ事、科学のテストで120満点取った事。

生まれて初めて自分で望遠鏡を買って、夜が更けるまで月を見た日の事。


そして…この高校に来て皆に出会い、毎日がドキドキワクワクして堪らなく嬉しかった事……。



(嫌だ…、嫌だ嫌だ!!死にたくない!まだやりたいこと沢山あるのに…!!)


何とか呼吸してみようと試みるが、口の中に入ってくるのは空気ではなく、ゼリー状の冷たい塊。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ