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第五夜 強襲 20
「きゃああぁあああっーーーー!!!!」
耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきた。
かなり近い。
それもその声が聞こえてきたのは先程、純子が出ていった外の方からだった。
「純子ちゃんっ!?」
心無しか悲鳴は純子に似ていた気がする。
嫌な予感が野絵を襲う。
考えるより先に足が勝手に動いていた。
胸が締め付けられ、冷や汗が頬を伝っていく。
身体中に嫌な予感が駆け巡り、笑顔の純子が脳裏によぎる。
(純子ちゃん、純子ちゃんっ…!!)
全速力で駆け、昇降口を飛び出すと、目に飛び込んできたのは地獄のような光景だった。
「な、なに…?なにこれ…」
声が震えているのが自分でも良く分かった。
連動するように体も震え出す。
野絵の目の前に広がっていたのは、血だらけで横たわる男女4人と、今まさに命の危険に晒されている純子の姿だった。
透明なアメーバのような物体の中に取り込まれてしまっていて、息が出来ないのか、顔は苦痛で歪んでいた。




