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Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
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第五夜 強襲 17

(大丈夫、大丈夫!!何ともない、みんなきっといる…!!)


恐怖に打ち勝つように自己暗示をかける。

その間も心臓が早鐘のように鳴っているのが、自分でも良く分かった。

悪い考えを払拭するように、助走をつけて角を曲がった時、思いきり何かとぶつかってしまい、体制を崩す。



「きゃっ!」


可愛らしい悲鳴の主は、見覚えのある人物だった。

確か、クラスメイトの…。



「氷川純子…さん?」


極度の緊張状態の為か、何故かフルネームで尋ねてしまう。

普段なら気付いた時点で軽く笑うのだが、今はそんな余裕などない。



「袖ノ月さん…?」


黒目がちの瞳が少し戸惑いながら、こちらを見上げている。

瞳に負けず劣らずの漆黒の長い髪の持ち主で、クラスの男子に“カラス”とからかわれていたが、艶のある綺麗な髪の毛だと野絵は思っていた。

話した事は一度もないが、女の子らしい雰囲気を纏っている子だ。


この状況の中、見知った顔に会えた事が嬉しくて、少しだけ緊張がほぐれる。



「ごめんね、痛くなかった?」

「うん、大丈夫だよ。少し驚いて転んじゃっただけ。私っておっちょこちょいだからさ」


照れ笑いをしながら、差し出された野絵の手を掴むと、軽やかに立ち上がる。





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