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Lunatic gift ~蠍座の死線~  作者: 蒼森 あめ
第二章 月に叢雲 花に風
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第五夜 強襲 15

「それならもう決まっています」


凛とした表情の中に強い意思が垣間見え、詩歌は何も言わず優しく微笑む。



(…魔法よ、どうか私に力を貸して。ムーンのこと忘れない為にも…私は力が欲しい!!)


瞳を閉じ胸に手を当てると、瞼の裏に月の紋章が映った。

そっと目を開け辺りを見回すと、部屋の隅にある一際輝くカードが、音も無く動きを止めた。

瞳なんて無いのに、何故か視線を感じる。



「こっちにおいで」


優しく導くように手を伸ばすと、カードがこちらへ向かってゆっくりと動き出す。



(これでツッキーも魔法が…!!)


誰よりも嬉々として、その一部始終を見守っていた詩歌は、いつもなら気付いていたであろう異変に全く気付かなかった。

暗闇に紛れ、畏怖の対象が侵入してきていた事に…。


野絵がカードに触れようとした、その刹那、いきなり空間がぐにゃりと歪んだ。

自分の指先がいびつな形に伸びるのをはっきりと見てしまい、恐怖を覚える。



「な、何っ…?!」

「まずいっ、これは…!!」


詩歌の焦った声がすぐ側で聞こえたかと思うと、次の瞬間、胃が持ち上げられるような感覚がした。

強烈な目眩に襲われ、気持ち悪くなる。





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