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SIN  作者: まかり
2/9

神様?と会話のドッチボール

よろしくお願いします

本編どうぞー

SIDE ???


目を開けるとそこは、雪国だった。

ではなく、大草原だった。夢だとも思ったが青々とした草花が風に揺れてなる音が、風の匂いがコレが夢ではなく、幻でもなく現実であるという事実を私に突きつけてくる。


「だとしたらコレがあの世ってやつなのかねぇ」


極めて私的な意見であるが私の中では、神秘的と言うか何処か現実からかけ離れた存在という認識が強かった、まぁ誰も見たことのないあの世を人が勝手に幻想して作り上げた世界観に必ずとも類似して無ければならない理由は無いだろう。

そんな事を考えながら歩いているとコツンという硬質な靴音が耳に入る、足元を見ると。


「スイッチ・・・?」


そうスイッチが有るのだ長方形型の銀色の縁をしていてその中央にプラスチック性の正方形の枠に嵌められたオンオフを切り替える器具が付けられている、ただその大きさは未だかつて見たことのない巨大な物で、とてつもなく雄大な草原の中で浮いた存在であった。


「押してもろくな事に成りそうにないな」


嫌な予感しかしない、主に面倒くさい事になることは間違えない。そう思い無視しようとすると。


「おいおい、無視するなよ!!話が進まないだろ!!」


そんな天の声が聞こえてきた、天使の声にしては大人びていて、神様の声にしては威厳が感じられない人間じみた声に私は驚いた後に。


「踏んで面倒なことが起こると分かっているのに踏むアホが何処に居るというのかね?」


そう答えるとそいつは少し唸った後。


「まぁいいけどね、此方で強制的に電源を入れるから、ポチッとな」


そう言うとスイッチがパチンとオンに切り替わり何かの落下音を感じ慌てて飛び込みをすると同時に巨大な落下音が響き渡り、土煙が視界を支配した。

暫くし風により土煙が流され形が見えてくると落下したしれは自分の身体の数十倍もあるブラウン管テレビである事が分かった。

精密機械だから丁重に扱えよと心のなかでツッコミを入れながら私はそのテレビを見つめていた。



土煙が晴れたと同時にテレビに電源が入る、数秒の砂嵐の後その画面に写ったものは・・・・。


「はにわ?」


人型のはにわだった、いや私自身はにわに対して豊富な知識を持っているとは決して言えない、よってコレをはにわと断定する事は出来ないが恐らくこの物体ははにわで間違いはない・・・・のか?本当にはにわなのか?

あまりの衝撃に私が焦っていると。


「私が神だ」


「いやそれは無理があるだろう?!」


思わず脊髄反射で返答してしまったがあれを神としてしまっては私の中での神というものが根底から覆されてしまう。


「堅いことを言うな、お前が何を思っているのかも大体分かるし否定したくなる気持ちも分かる。だがな?世界をよく見ろ見た目だけで物事を判断するな!見ろ!この極限まで簡略化した人間の姿を!このシンプルな形状に神秘を感じないかね?」


「ないな!!」


半ば自暴自棄で声を張り上げて反論するとはにわは笑いながら。


「まぁこの際神様であるかどうかはどうでもいいか、ようこそ私の世界に、私がこの世界を調停している者だ、訳あってキミに幾つか聞きたいことがあって呼んだ。急で申し訳ないが2、3質問に答えてもらおう。」


私はゆっくり呼吸を落ち着かせてから、大きなため息を付いてその申し出を了承したのだった。



数十分に置ける質問の嵐を受けながら私は自らが死を求めるまでに至った道のりを語り続けた。と同時にその間にこちらも向こうがどういった存在かを聞き出すことに成功した、どうやら実質黄泉の国のような物はこの世に存在せず、魂の質を判定する機器【魂分類器】に霊体を放り込んで後は機械がその魂に対して様々な判定を下すらしい。

こうして聞くと聞こえは非情に楽な仕事のようにも聞こえるが実際にはそうでは無いらしく生命としての根源が歪んでしまわないように上手く取り計らったり。その世界自体が機能してしまわないように上手く誘導したりなど、規模が大きい仕事ばかりをしなきゃいけないから非情に大変らしい、もはや後半のほうは完璧に愚痴になっていた。

因みに動物界には動物が魚類には魚類が担当しているらしい、それらは特にコレといった激務は無くただひたすら魂分類器に放り込むだけで良いようだ、理由としては魚や動物が何かしたところで人間に上から押さえつけられるだけだから余り意味が無いのだそうだ。


「結論から言うとキミは今後の人生に希望が持てず自害したという事でいいのだな?」


「そうだね、大体そんな感じで合ってるよ」


そう言うとはにわは少し怒ったような口調で。


「そんな下らない理由で死んだというのかね?キミは人間としてではなく生き物として間違っている、元来生物というものは本能的に生きると言うことを最優先とし行動しているものだ、だから危ない時には危機感というものが作動するように成っているのだよ?それなのに自ら命を立つという行為は自らの生に対しての反逆だ、自分でもどれほどその考えが異質なものかは理解しているのだろう?」


言わんとしている事は分かるそれに理解も出来るだが納得は出来ない。

毎日が変わらずに日々を無駄に消費するあの日常、他人の顔色を伺いながら対して尊敬もしてない先輩に媚を売り、いつ首になるかと怯え続け、ひたすら生きるためだけに働き続ける。

それが生きるという事なのだとしたら私は死んだことを一切後悔していない、それ故に私はそいつの言っている事を頷くことが出来なかった。

はにわは私が納得すると思っていなかったのか深い溜息をついた後に。


「分かった、なら最後の手段に入るか」


瞬間私はドーム状の魂分類器に収められていた。蹴っても叩いてもびくともしない。


「それは魂分類器を私が改造したオリジナルでね、霊体の経験、知識、感情それらを基板として新しい世界を想像する機械なのさ。魂分類器は霊体を分析する事に長けているからね、こういったことには打ってつけって訳さ。」


そう言いながらはにわは改造した魂分類器を起動させていく。何故か体が動かない。


「霊体が生き物として間違った思想に染まったのならその霊体ごと消してしまおうって訳なのかな?」


そう言うとはにわは


「いやそうじゃないよ、私達にはそんな『霊体を消す』なんて事は出来ないからね精々改心させるのが精一杯だよ、でもね今回の自殺事件はちょっと規模が大きすぎた3000万人もの人間がこぞってバタバタ自分の意志で倒れていく・・。はっきり言って異常だよ。だから私は考えたのさ『その霊体が住んでいた世界とは全く価値観が違う世界であり自分が打ち解ける世界に自身の身を置いたら生物としての本能的なものが回復し自殺を志願する不良品の霊体から回復ではないか?』ってね。キミを選んだ理由はキミがきっちり3000万人目の自殺者だったからかな、深い理由はないよ。」


そう言った後、はにわは思い出したかのように


「後先に言っておくけどキミという人格は世界を作る際に一旦存在しなくなるからね?キミはキミとして別の生き物に、その世界に適した形として転生することになる。でも、もしかしたらキミが生きている間に忘れてしまった感情や、ずっと溜め込んでいたものがキミの周りに別の形となって現れたりするかもね。もしも、そういった物と遭遇して何らかのコミュニティーを手に入れたら、何かの拍子に断片的に記憶が戻ることもあるかも知れないけどね」


ま・・ず・・・い、意・・・・・識・・が・・。


「それじゃあ、言ってれらっしゃい〇〇○さん」


その言葉を聞いて私は意識を手放した




読んでいただき有難うございます

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