出会い
12月某所
雪が降り積もる街中
薄い茶髪が雪をかぶりその瞳のしたには隈ができており瞳は虚ろになりかけていた少年がフラフラ歩いていた
服装はジーンズにダウンジャケット、マフラーを巻いている
少年「はぁ………寒いぜっ」
少年は足をとられ盛大に転けた
雪が積もっていたので怪我はないが顔に雪がかぶり
鼻を啜っていた
少年「あーーヤバいなぁ……ミィとキィ寒くないかな?
………美耶は大丈夫かなぁ……くそっ!こんなことなら和や禎の家で泊まらせてもらえば………ってそこまであつかましくできるか!」
少年は飼っていた猫二匹と離れ離れになった妹の心配をする
丁度1週間前
母が死に、父親が多額の借金を残し蒸発
危機を感じた少年『平菊 誠』は猫を親戚に渡し、妹の美耶は母の姉に保護してもらった
そして誠は少しの着替えとある程度の日用品と5000円が入った財布と残しておいたお年玉30000円を持ち家を出た
他の荷物は捨てるなり親友達に預かってもらった
当初は友達の家を転々と泊まらせてもらったりしていたが、迷惑をかけられないので金を少し置いて出た
しばらく野宿やら宿に止まっていたが金が尽きかけたので路闘で稼いでいたがそれも尽き、2日間寝ないでさまよい歩いていた
誠「死ぬのかなぁ………こんな所で
あんな糞野郎のせいで……ん?」
誠の視界に立派と呼べるぐらいの屋敷が入った
しかし見たことがなかったので幻覚か何かと思っていた
誠「まぁ…人間見たことからしか学べないからな……どうせ死ぬなら幻想でも抱いて死んだ方がマシだ」
誠は動かぬ体に鞭を打ち左足を引きずりながら歩いた
所詮幻覚であると思う屋敷に向かい
ただひたすら、がむしゃらに
◇◇◇
誠「広い……と言うよりデカいな」
誠はドサッと腰を下ろした
壁まで這いずり壁にもたれた
朦朧とした意識をまだ保ちながらゼェーゼェーと息をきらしながら
誠「くっ……もう限界なのかな?
もう少しもってくれてもバツは当たらないぜ」
誠は震える手でポケットに入っているケータイを取り出し開いた
待ち受けには元気だった頃の母と妹の美耶、膝の上で眠っている猫が2匹が写っていた
ディスプレイに誠の涙がポタポタと落ちる
誠「情けなさすぎ………だな
こんな姿、天国にいる……母さんと美耶に……見せ…れるかっ」
誠は力なく倒れた
?「この結界の中に私以外の生身の人間…お嬢様に報告をせねばなりませんね」
青色の髪を靡かせたメイド服をきた女性が誠を抱きかかえて屋敷の中に入った
誠side
どこだ………ここ?
天国なら嬉しいが
こんなふんわりして暖かい場所なんて…
まず母さんに謝らないといけないかな?
誠「む……天国とは随分豪華な場所なんだな」
徐々に回復していく意識の中はっきりとそれは言えた
?「ここは天国じゃない………私達の家」
誠「にゃいやぁ!?」
ななななななっ!!何だぁ!?
あ……よく見たら俺の身体の上に小さい少女とその肩に小さい妖精が乗っていた
いやいやいや、待ちましょうよ、何このギャルゲ?
誠「………え…と」
セラ「セラ………この子リリィ」
あぁこの子の名前がセラで妖精っぽいのがリリィか
しかしいつまで上に座るつもりなんだろ?
いやいいんだけどさ
?「あら、その人間起きたの?」
ワオ!!人間?えぇ人間ですけど何か?
セラ「はい……お姉様」
誠「姉?………へぇ」
随分小さく見える気が……まぁいいか
ソラン「失礼ね……まぁいいわ、私はソラン、吸血鬼の王よ」
俺は出会った
とても真っ赤な……血のような色の瞳をもつ吸血鬼の少女に