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【完結】1人だけ魔球投げれますが意外としんどい  作者: ぱちぱち


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第89話 全国選抜優勝(3回中2度目)

本日4話目

 道頓堀選抜を8-1で下した西東京選抜は、決勝戦で戦った茨城中央選抜相手にもほとんどワンサイドゲームで勝ち切った。雑賀の三くんとケーちゃんとの投げ合いはもう毎年の恒例行事みたいなものなんだけど、今年もケーちゃんが投げ勝った形だね。というか向こうは今年、年齢の関係で雑賀兄弟が三くんしか出れてないから、明らかにチーム力がダウンしてるんだけどね。その三くんが一人で八面六臂の活躍をして決勝まで来てたんだ。やっぱ凄い子なんだけど、流石に今年の西東京選抜を一人で倒すってのは無理だよ。


 なんせこっちはまさに黄金世代と言うべきチームだからね。2年連続で全国選抜大会を優勝を決めたのも当然ってくらいに投打のタレントが揃ってる。


 どれくらいかっていうと今年の西東京選抜は1番から5番までの間に平均2~3点取ってるんだ。下位打線も別に打たないわけじゃないから3回が終わった段階で5点差なんてのがポンポン起きてたし、その上で僕やケーちゃんやあすみちゃんというリトルシニアで5人ピッチャー選べって言われたら名前が挙がってくるようなのが同チームに居るわけだ。対戦相手からするとムリゲーって言いたくもなるよね。


 あ、諸星くんも忘れないように入れとかないとね。僕はちょくちょくからかってるけど、なんだかんだであの子も全国区のピッチャーとしての力量は有してるし、僕やケーちゃんとかに長年張り合える根性もあるから良いピッチャーなんだけどね、諸星くん。このまま実績つんでいい学校に行けるといいよね。



「ん……もしかして権藤は聞いてないのか?」


「んん? なになに」


「いや、俺もう推薦貰ってるんだけど」


「……え。諸星くんがもう推薦貰ってるの!!!!!!!?」


「そこまで驚くのは流石にちょっと、かなり、俺に失礼じゃないか???」



 ショックを受けた風な諸星くんは捨ておいて、僕は世の不条理を呪う。どう考えても僕と諸星くんを並べたら僕の方がより取り見取りの入れ食い状態になる筈なのに、僕の方には欲望で脂ぎったおじさま方の「うち女子野球部あるけど?」ってお誘いしか来てないのに、諸星くんには2年の段階で推薦の話が来てる。こんなの! こんなのってないよ!!



「あー。ま、まぁ。権藤さんは、女子の方で実績残しすぎてるから、とか?」


「それでも普段から甲子園連呼してる僕に女子野球部ばっか勧めてくるのは失礼だと思わない?」


「女子野球も決勝は甲子園でやるからなぁ」



 大会後。最後の表彰式の席で、ここ最近受け続けているだまし討ちについて網走くんに愚痴を言うと、網走くんがひじょ~に言いづらそうに僕に声をかけてきていた各校のスカウトさん達を擁護してくる。まぁ、うん。スカウト対象になってる網走くんに愚痴る内容じゃなかったよね。あ、3位とホームラン王達成おめでとうございます。僕から打ったホームランで取ったタイトルは嬉しい?



「めっっっっっちゃめちゃ嬉しい」


「素直じゃん……夏は負けないからね?」



 感極まったかのように右手を握り締め、喜びを表す網走くんに思わず僕も毒気を抜かれてしまった。僕は今年も首位打者を受賞し、投手としても最優秀防御率を受賞。奪三振はケーちゃんに、最多勝は雑賀の三くんに取られちゃったけど、こっちは死守したぞ!


 野球は勿論チームスポーツ。最上の喜びはもちろんチームの勝利なんだけど、個人タイトルは純粋な個人の頑張りの結果だからね。こんなんなんぼ貰っても嬉しいんですよ!






「全国選抜で投打混合タイトルを手に入れました権藤あまねです。えっへん」


「おー、偉い偉い」



 胸を張ってテレビカメラの前で自己紹介する僕に、金ちゃん監督がぱちぱちと拍手を行うとベンチに待機しているガヤ笑用の芸人さんと外国人が猛烈な勢いで拍手をし始める。あ、あの。今のやり取りでその拍手の嵐はちょっと恥ずかしいかな……?


 もっとね、今のところはささやかな拍手で良いんだよ。あんまり拍手が激しいと若干滑っちゃうんだからさ。その辺の調整お願いしますよ、ガヤ芸人の皆様。プロでしょ?



「あまちゃんの言動をどう思いますか、プロデューサーくん」


「流石の一言ですね。プロとしての貫禄が見えてきますよ」


「ん、どういう道のプロって言いたいのかな???」



 北埼玉デッドボールの試合で、いつものように実況兼解説としてマイクの前に座る。この2年ほどの間で、それこそ100回以上行っているからか実家で仕事してるみたいな安心感すら感じちゃうよ。


 さて、今回の対戦相手はなんと完全に海外の企業さんだ。なんたらソフトとかいう海外の大手IT企業が運営してる野球チームらしいんだけど、チームの人員がもうごっついごっつい。一番背が高い元プロの人(185cm)以外は全員頭一個分くらい離されてる印象がある。


 ただ、そんな相手でも北埼玉デッドボールは結構いい試合を行ってる。流石はクラブ選手権優勝チーム、普通に強くてちょっと驚きだ!



「あ、そういえば3年生になったんだっけ。進級おめでとう、日数足りてよかったね」


「代表戦とかはちゃんと公休になってるんで大丈夫だったよ! 応援してくれた皆ありがとう! 来年からは甲子園で熱い戦いを見せるからね!!」


「お、アピールタイム入ったね」



 金ちゃん監督が学校について話を振ってきたので便乗してテレビカメラに向かって甲子園アピールを。明らかに各校のスカウトさん、僕を女子野球部に入れたがってるからね。僕は8月いっぱいを甲子園で過ごしたいんだから決勝だけの女子野球はお呼びじゃないんだけど、


 そういえばトロ子ちゃんが近々進路についての話があるって言ってたから、もしかしてこの状況を打破できるどこか良い条件の学校があるって事なのかな。出来ればとんでもない強豪校ばっかの地区は避けたいところなんだけど、あんまり贅沢も言ってられないのかなぁ?


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