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【完結】1人だけ魔球投げれますが意外としんどい  作者: ぱちぱち


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第85話 年越し帰国とブーさん

本日ラスト

 新年、あけましておめでとうございます。あ、こっちだとハッピーニューイヤーか。



『見てみて、アマネ! 僕、今年は成功したんだよ!』


『うん。なにに?』


『年跨ぎのジャンプさ! 僕は今年が始まった瞬間、どこにも立っていなかったんだ!』


『あ、うん。おめでとう……?』



 初めて日本以外で年を越したけど、どこの国でも年越しは基本変わらないんだね。同じことを小学生の頃、ケーちゃんがコーちゃん誘ってやってたなぁ。でもルイくん、確か体重100kg超えてるんだよね? そんな巨体で飛び跳ねて騒音……はないか、この屋敷だと。


 さて、新年になったって事はそろそろ僕らも日本に戻らないといけない頃合いだ。3学期は結構早く始まるからね。



『結局オリヴィア伯母さん、ピンポンダッシュして去って行ったね』


『ピンポンダッシュて……』



 そういえば久しぶりにあすみちゃんのお母さん、オリヴィア伯母さんとも顔を合わせたんだけど、オリヴィア伯母さんは屋敷にやってきて大体5分くらいで『飛行機の時間ですわ! ちょっくら行ってきますわ! オーッホッホッホッ!』て高笑いしながら文字通り飛び去って行った。そしてその様子に皆が苦笑を浮かべてたから、多分オリヴィア伯母さんは毎回こんな感じなんだろう。売れっ子デザイナーだって聞いてたけどすっごい人気者なんだろうね。



『そんな、アリス。もう帰ってしまうのかい? 学校があるアマネやアスミはともかく、お前はゆっくりしていけばいいじゃないか』


『ごめんね、お父様。でも、また帰ってくるから』



 おじいちゃんは本当におかーさんを溺愛してたんだろうね。うちの一家が帰り支度を始めると、孫全部放っておかーさんを引き留め始めた。流石にこれには他の家族みんなが苦笑を浮かべている。孫より娘が可愛いのか。まぁ、おかーさんは可愛いから仕方ないな。うん。



『それじゃあアマネ、また夏に会おうね!』


『え、僕、夏はこっちに来ないけど?』


『あれ? アマネはオリンピックに出ないのかい』



 別れの挨拶を交わしていると、ルイくんがそう言ってくる。あれ、ラグビーってオリンピック競技に含まれてたっけと首をかしげていると、アーサーくんが苦笑を浮かべてルイくんの肩をポンと叩いた。



『ルイ。どの競技か言わないとアマネが困るだろ』


『あぁ、そっか。僕はウェイトリフティングで出場するんだよ』


『あ。あぁ、すごいね、うん』



 そう言って、ルイくんは右腕に力こぶを作って見せた。凄いな、服の上からでもここに筋肉がございますって自己紹介してるよ、筋肉が!


 なるほど、多分ウェイトの方はあくまでサブなんだろうけどそっちでもオリンピックに行っちゃう身体能力なんだね。これはおじいちゃんが期待するだけの逸材だなぁ。ルイくんの動き自体はトレーニングルームのものしか見てないけど、もしラグビーがオリンピック競技に復帰したら間違いなくルイくんも呼ばれたろうね。



『今年のオリンピックは、うちの一族から3人も出場者が出る初めてのオリンピックだからね。俺たちも都合をつけて応援に行くから、頑張ってくれよ』


『おっけーおっけー! まぁ、女子野球最強投手の活躍を期待してくれたまへよ』


『自信満々だな! 僕も負けないぞ!』


『私もいきたかったなーオリンピック。怪我してなきゃワンチャンあったのに』



 おかーさんに泣きつくおじいちゃんとそれに苦笑する親世代を尻目に、従兄姉たちは互いの健闘を祈って握手を交わす。元々頑張るつもりだったけど、これで情けない試合をすることが出来なくなったね。


 ところであすみちゃん、ミリーと携帯電話でなんのやり取りをしてるんだい? 僕の目には画像ファイルをケーブルで移動してるように見えるんだけども?


 僕の黒歴史を広めてんじゃねぇぞおらぁん!!?







「てやー!」


「ぐわあああああぁぁぁ!!」



 日本に帰ってきたら最初にやることはこれだよね。そう、1試合1魔球です。今日も今日とて燃える魔球を受けたブーさんが火だるまになり、自爆された足元がお留守な格闘家みたいな恰好で地面に倒れ伏している。うん、平和だなぁ。


 北埼玉デッドボールの試合は、なんというか最近相手チームがなんかおかしくなってきてて、外国のチームが混ざる様になってきた。半年先まで予約でいっぱいなのは変わらないんだけど、この予約争奪戦に外国の野球チームが参加するようになったって事だね。



「あまちゃんが作ってくれたホームページが大活躍してるってよ」


「僕が作ったわけじゃないんですけどね?」



 去年の頭くらいまでは事務の人だけで管理出来てたのに、去年の夏ごろくらいからもうそれじゃ追いつかなくなったから北埼玉デッドボールの方でも予約システムを導入。日時に対戦する球場かグラウンドを入れて、更に交通費はあちら持ちなのにこのシステムの中は常に予約でいっぱいだという。


 あ、事前に僕が出場しないって明言してる場所は人気がないらしく空きが出やすいらしいけど、そこだってブーさんとか選手のファンが結構いるからどんどん埋まってるんだって。



「なんか俺、いつの間にかスポーツできる芸人からガチでスポーツできる芸人枠に入ってんだよな」


「瘦せたからじゃないですか?」


「痩せるための努力を一切してなかったんだけどな???」



 そう僕にブーたれるブーさんだけど、最近は体の恰幅が以前のように戻ってきている。ただ、付いてきてるのは脂肪じゃなく筋肉だ。太れるってのは実は一種の才能で、人によっては体重が100を超えることが出来ないって人も居たりする。太れる人はちゃんと体を適切に使ってれば筋肉質になれるんだよね。


 その点、僕も筋肉はガンガンついていくタイプだからね。適切に維持するための努力を重ねないと、権藤あまねから権藤ぶたねになっちゃうよ!



「これはこれで芸の肥やしになるから良いけど、昔のネタが使えなくなったのが痛いんだよなぁ」


「ああ。おデブ弄り出来なくなったんですね。代わりに筋肉ネタが増えたんですっけ」


「あれもなぁ。相方が四苦八苦して弄ってくれてるからなんとかなってるだけでなぁ。もう一回太れって毎日言われてんだよ」


「だからもう一回筋肉太りしたんだ?」


「前は脂肪だったけどな」



 ブーさんは腕を組み、こんこんとげいのーかいの世知辛い事情を話してるけどさ。傍から聴いてたら行ってることがギャグかなにかに感じちゃうのは流石の売れっ子げいのーじんって所だよね。僕もぺーぺーとはいえげいのーじんとして見習わないと……いや見習わなくてもいいか。僕はげいのーじんである前に野球人だからね!


 さて、今日も頑張ったしポイントは。うぅん、やっぱり試合のポイントは大きいけど、相手によって差が出てくるなぁ。中にはプロ選手並に経験値をくれる相手も居るから北埼玉デッドボールの試合もおろそかにできないんだけどね。こうなってくると、春の全国選抜が待ち遠しいね。網走くんあたりと対戦したら、どれだけポイントが入ってくるんだろ。

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