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【完結】1人だけ魔球投げれますが意外としんどい  作者: ぱちぱち


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第37話 夏休みは短い

本日2話目

 女神様が(ゲーム)やってんな疑惑が出てから1週間。来週から始まる世界大会に向けて日本代表が出発する日がやってきた。


 いやほんと忙しいなこの夏は。僕、夏休みなのにまともに休めてないんだけど? おかげで24時間戦えますかって小波(しょうは)のサラリーマンみたいな状況になってるからおかーさんが毎日毎日大丈夫なのかって聞いてくるんだよね。僕としては全然疲労を感じてないんだけど、傍から見てるといつ倒れてもおかしくないハードスケジュールに見えるみたい。まぁ家に帰ってもメイド服着て給仕するか寝てるかしかしてない娘は、親としてちょっと心配になるんだろうね……


 おかーさんから苦情を貰ったブライアン伯父さんは流石に僕のスケジュールを見直さないといけないかとテレビ局や日本代表の上層部と交渉して、夜21時には家に帰れるようにスケジュールを組みなおしてくれた。僕は元々選手だから、広報活動で忙しくして体調を崩したら目も当てられないって理由らしい。未成年だからとかそういう理由じゃないのが芸能界だなぁって印象でした(小並感)


 まぁそんなわけで仕事が減った僕は早速練習を多めに――したらおかーさんに大目玉を喰らいそうだから、せっかくの機会だし体を休めながら夏休みの宿題を一気に片付ける事にした。これでも前世では大学まで出ているんだ。中1の問題なんて簡単簡単!



「イメージとあわねー」


「昔から勉強だけは出来るのよ。野球バカなのに」


「うっさい! 分かんない所は教えるけど写しはさせないからね! ちゃんと自分で解かないと意味ないんだから!」


「「はーい」」



 僕と同じような理由でリトルシニアの練習が少なくなったため、暇になったあすみちゃんとトロ子ちゃんも誘って勉強会。あすみちゃん達も僕と同じで日本代表の試合に同行するために1学期末は公休扱いだからね。その分宿題が一杯出されてるから出来るだけ処理しとかないと2学期頭に地獄を見る事になっちゃう。


 日本代表に参加してる以上、あすみちゃん達も衆目にさらされる事になるし学校内でも否が応でも目立っちゃう。脛傷はない方が絶対に良いんだから、努力でなんとかなるものはさっさと努力で片付けるのが一番だよね。


 ちなみにケーちゃんとコーちゃんは僕らと違ってそういう縛りはないから、ちゃんと計画立てて宿題を終わらせていくらしく今回の勉強会には不参加だ。なんならコーちゃんはもう日記以外の宿題は終わってるかもね。



「逆にケータくんは最後まで引っ張りそうだけどね。大会が終わったら手伝いに行こうかしら」


「お。あすみちゃんがついにケーちゃんにアタックを!? これは目が離せませんねぇいでででで」


「あんたは親父か! ったくもう」



 僕の頬を引っ張りながら、あすみちゃんが顔を真っ赤にしてぷりぷりと怒り出す。うぅん、分かりやすいなこの子。普段はギャーギャーうるさいのにケーちゃんの前だと借りてきた猫みたいに大人しくなるし。ケーちゃんは「最近あすみちが冷たいんだよなぁ。俺、なんか嫌われる事したっスかね?」とかいうクソボケだからともかくとしても、ご近所さんの間ではあすみちゃんがケーちゃんのホの字なのは周知の事実なのだ。


 小学生から中学生になる頃合いはね。色々情緒も育ってふくざつだから、だいじにみまもっていかないとね! これ純粋な善意! 善意だからね!



「そういうおまえはー田中兄をどう思ってんだよー」


「弟。生意気なことにあっちは僕を妹と思ってるけどね! 僕がご近所4人衆で最年長なんだからね! あすみちゃんもその辺わきまえるよーに」


「あんたが一番チビなんだからしょうがないでしょ」


「あすみちゃんがデカ女なだけだろうが! ケーちゃんよりも10cmもでっかいくせに! 僕だって最近160cmは超えたんだぞ!」


「誰がデカ女だ!」



 売り言葉に買い言葉で取っ組み合いになるも、今日は内輪の席だからって事であすみちゃんが横着して縦ロールがついてない分、僕が不利になっちゃう。だからこういう時には発想の転換、無駄にデカいせいで隙だらけなわき腹をズビシだ!


 大体20分ほどの不毛な戦いの後、いい加減頭に来たのかトロ子ちゃんの鉄拳が僕とあすみちゃんの頭を平等に叩きのめして僕らの20分間戦争は終わりを告げた。人はなんど同じ過ちを繰り返すんだろうね。戦いからはたんこぶ位しか生まれないっていうのに。






「その時の写真をトロ子ちゃんが携帯で撮ってて、それをブログに上げたらすっごい大反響だったんですよねぇ。日本代表に貢献できたってあすみちゃんも草葉の陰を濡らしてると思います」


「山田選手が可哀そうになりますね」


「あの、写真には僕も映っていたんですが???」



 さて、いよいよ世界大会に向けて台湾に戻る日がやってきた。日本代表の上層部はこの2週間ほどを前回の交流戦を踏まえての準備期間に充てていたから、前回とは諸々の準備が段違いになっているみたい。まぁ交流戦と世界大会じゃ予算も規模も段違いだからしょうがないんだけどね。


 女子日本代表アマゾネスジャパンはこの後に激励会だかなんだかをした後に飛行機で台湾に直行。現地で1週間ほど準備して本大会に臨むって感じだ。ちなみに僕はその間も日本代表の中で唯一国際戦を経験してないのに広告塔みたいな感じになって取材陣相手に出ずっぱりになる予定。もちろん練習はするけどそれも出来る限り秘匿して行う予定。


 日本代表の上層部は、本気の本気で僕を隠し玉にとっておきたいんだろうね。ここまでくると最後まで付き合ってやろうって気持ちになってくるよ。


 まぁその思惑の為に練習が出来なくて本調子が出ない、なんてことにならないよう台湾の室内練習場は僕が貸切に出来る予定だし、本大会が始まった後はアメリカ戦まで打者権藤あまねとして活躍する予定だから1週間ほどの辛抱だ。そして溜めに溜めた分はアメリカ戦でうっ憤を晴らす!


 うん、今からやる気が漲ってきたね。というわけで記者さん、僕日本を出る前にやる気充填の為にスイーツ食べに行きたいんだけど。え、口が軽くなるような一押しのスイーツがある?


 ええと。うん。なんでも聞いてください。僕は日本女子代表の広報係だからね(キリッ)

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