表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】1人だけ魔球投げれますが意外としんどい  作者: ぱちぱち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/156

第127話 ついに来たなぁあまちゃんが甲子園に!

 はるばる来たよ甲子園! 去年まではリトルシニアの選抜で隣の大阪まで来てたから、あんまり初めて来たって感じがしないなぁ。


 甲子園期間中宿泊するホテルは毎年西東京代表が泊るホテルを紹介された。県の高野連とホテルさんとが提携してるから、出資してるホテルが食い込めなかったってブライアン伯父さんが残念そうにしてたね。でもブライアン伯父さんが出資してる所って全国チェーンのビジネスホテルだから、今回の甲子園中は全部屋予約の大繁盛って聞いてるんだけども。流石にそこから20部屋も用意させるのは無理でしょ。


 さて、話を戻して大会期間よりちょっと前に我らが聖ザ野球部は兵庫入りした。これは旅疲れを考えて万全の状態で甲子園に挑めるようにという事なんだけど、大会までちょっと間がある。


 という訳で早速僕はマネージャーの有川さんに連れられて、大阪の街へと繰り出したのだ。


 仕事で。



「ついに来たなぁあまちゃんが甲子園に!」


「うぃぃぃっす」


「なんでそんなやる気ないの???」


「バットとボール用意しただけのお喋りだからですぅ」


「「「HAHAHA!!」」」



 甲子園特集をやるからコメンテーターとして来てくれ。関西のTV局からこういう風に言われたらね。よその学校の情報を少しでも集めたい僕としては断る理由はないわけですよ。ただ、こういうただ座っておしゃべりするだけの場だと僕ってあんまりやる気が出ないから、一計を案じた賢い僕はこーいうお仕事の時はテーブルの上にバットとボールを置いて、野球の実況をしてると自分に誤魔化しながらおしゃべりをするようにしたんだ。


 その絵面が結構面白かったみたいで、トークメインの番組の際は毎回同じようにバットとボールが用意されるようになったのは誤算だったね。断る口実が一つ使えなくなっちゃったよ。



「あまちゃんが気になってる学校とかはあるの?」


「浪速通天閣大付属ですかね。ライバルの網走くんも居るし(柔道で負けた)一ノ瀬さんも居るんで」


「ほー! うちの地元褒めるとは見所あるなぁ。飴ちゃん舐めるか?」


「大阪の人ってみんな飴ちゃん持ってるんすね。僕、今日街を歩いてるだけで袋一杯貰っちゃったんですけど」


「あー、それ。まぁ血液みたいなもんやから」


「飴ちゃんが!?」



 等という愉快な会話を繰り広げたりして甲子園の話題性をどんどんと高めていく。高野連さん。僕、やれば役に立つ子なんですよ。もちろんこの仕事中も『魔球が投げたいです』看板はしてるから司会の人とかが突っ込んでくるんだけど、そのタイミングで僕は目薬を差して「マウンドに立つと勝手に出るけど、一回投げると多分出禁にされるんですぅ」って涙ながらに訴えかけてるからね。ちょっと目薬の量が足りないなと思ったらセリフを中断して目薬を差してるから、涙の量もバッチリ。お茶の間ウケするくらいに毎回ハンカチを濡らしてる。


 こういう地道な努力が実ったのか。僕が出演しない番組とかでも「あまちゃんの魔球を甲子園で見たいなぁ」って声が聞こえるようになってきた。うんうん、やっぱり継続は力だよね。


 だから高野連さん。魔球解禁、しよ?(ハートマーク)





「おう、久しぶり!」


「おひさです。一ノ瀬パイセン大会近いんじゃないんすか?」


「私よりお前のが近いだろ。明々後日じゃん」



 さて、お仕事だけで終わるのも味気ない。という訳で大阪在住の同性の友達に連絡して女子会だよ。女子会。一ノ瀬さんは元々関東の人だけど柔道の特待生として浪速通天閣大付属に進学。順調にキャリアを積んでる最中らしい。


 特に前回、僕が負けた皇杯優勝は彼女のキャリアにとっても大きかったみたいで、今では次のオリンピックの最有力候補って呼ばれてるみたい。なにせ一ノ瀬さんはこの! 僕に勝ったんだからね!


 まぁ、真面目な話。皇杯で戦った中でも一ノ瀬さんほどのスペックの人は他に居なかったからね。組み合った僕が人型の熊だと誤認するくらいの彼女なら、世界を相手に回しても戦えるんじゃないかなって思う。



「いやぁ。あの時は妹の声援があったからなぁ。いつもよりやる気が出たんだよ」


「あ。そういえば妹さんは実家ですか。地元関東ですっけ」


「うん。うちの実家、神奈川」



 あの試合、ほんとーに油断が怖いってのを思い知らされたよね。妹さんの声援が耳に入ってそっちに意識を向けちゃった瞬間、一ノ瀬さんの足腰が根が張ったみたいに安定して逆に技を潰されちゃったんだもん。西東京実業大付属の3番さんに何も言えなかったのは、僕も同じ負け方をしてたからってのもあるんだよね。


 その後、僕は一ノ瀬さんに連れられて色々なお店を回った。大阪に来たら粉ものっていうけど、確かにタコ焼きとかがすっごく美味しいんだよね。ペロ、これは味付き小麦粉……!? なんて冗談は兎も角、うちのお店でもこういうジャンクな食べ物は扱ってるからね。味が盗めそうならガンガン盗んで売り上げに貢献したいんだけど、神の舌とかそーいうのを持ってない僕だと一回食べたくらいじゃなにが決め手なのかが良く分からない。


 ね、そこの屋台のおじちゃん。僕さぁ、関東で喫茶店を営む家の娘なんだけど味の秘訣とかって教えてくれたら嬉しいかなって。あ、あまちゃん? チガウヨーボクアマチャンチガウイギリス人ネー。


 サイン書いてお店の宣伝してくれたら教える? あ、僕げいのーじんの権藤あまねです。サイン色紙? もちろんございますよ。すぐに書きますね。一ノ瀬パイセン、なんで笑ってるのかな。笑い袋でも買ったの?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ