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【完結】1人だけ魔球投げれますが意外としんどい  作者: ぱちぱち


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第126話 何事も緩急が大事なんですよ

 聖ザの甲子園出場が決定した瞬間、各メディアが一斉にそれを報じ始めた。勝敗が確定するまではプロデューサー兼カメラマンさんの方で調整してたらしくて、甲子園出場が決定するまでは報道は控えめにしてたみたい。



「何事も緩急が大事なんですよ。俺も甲子園で魔球が見たいからね」


「プロデューサー兼カメラマンさん……!」


「甲子園であまちゃんが魔球を投げる瞬間の視聴率がどんな事になるか。ワクワクするね」


「プロデューサー兼カメラマンさん!?」



 悪い顔でそういうプロデューサー兼カメラマンさんだが、自分の欲と僕のお願いを上手くミックスして援護してくれてるから文句を言う気はない。なんならげいのーじんとしての自覚が芽生えつつある僕もプロデューサー兼カメラマンさんの視聴率に対する拘りは正しいものだと思ってる。げいのーじんは人に見られてナンボの世界なんだから。後はその見られるという部分でどう自分なりの拘りを出せるかが問題だ。


 僕のげいのーじんとしての拘りは野球。柔道とか寄り道もしてるけど、やっぱり根っこの部分で僕は野球が一番好きだから、最優先はそこだ。



「えー。でも柔道の方もすっごい良い数字出るんだけど」


「シャラップ! とりあえず今は甲子園優先でいきたいんで」


「うん。ようやくここまで来たね、おめでとうあまちゃん」



 柔道の大会もポイントが美味しかったから余裕があればまたやりたいんだけどね。聖ザに進学した元原木中柔道部の子にお願いして、空いてる時間に練習に混ぜて貰おうかな。星監督も「お前はなんか変なルートで強くなるよな」って僕が他競技に参加するのを容認してくれてるし。


 あ、あとは学業の方か。こないだのテストでは一応学年10位以内に入ったけど、女神様は学業のほうでも頑張ればポイントくれるんだよね。10位だと30ポイントくらいだったからこれはストックして甲子園大会までに太くなった体の調整に使おうと思う。


 その体の調整に関してだけど、オリンピックからこっちの肉体改造は順調と言っていい。身長が伸びたのが一番の原因だけど(ここ重要)、ステータス表で見る現在の僕の能力は。


ミートA(88)・パワーD(58)・走力B(75)・肩力B(78)・守備力A(84)


 球速125km/h・コントロールS(100)・スタミナC(67)



 って感じだね。去年の今頃はパワーはEで球速も120を超えてなかったから、全体的にパワーアップしてると言っていいだろう。


 また、筋肉の方もちょっと面白いというか、ポイントを使って筋量を維持したまま体を細くしてきたんだけどここ最近明らかに筋肉の質が変わってきたんだよね。圧縮されてるというか、触ってみると筋繊維の弾力が今までとまるで違うんだ。体は細いのに体重もどんどん増えてるしね。


 多分密度が高くなってるからなんだろうけど、これこのまま成長したら僕の筋肉はどうなるんだろう。身長172cmモデル体型体重100kg超えとか狙ってみるのも面白いかな?





 夏休みに入ってからこっち、僕は忙しい日々を送っていた。え、いつも通りだって? ま、まぁそうかもしれないけど学校って休憩時間が無くなったからね。体感としては普段の倍くらい忙しくなってるんだよ。体感としては。


 まず甲子園に向けた練習。日中の殆どは練習時間になる。もちろん単にキツイ真似しても意味はないから、筋トレとかは隔日とか日にちをまたいでやってるけどね。守備連携とかを時間をかけて煮詰めていく感じって言えばいいかな。


 僕に関してはメディアへの露出が明らかに増えたりしてる。まぁ、予選期間はちょっと少なめにしてたからその分の揺り戻しみたいなものだね。ここでも僕は『魔球を投げたいです』看板をぶら下げて甲子園に対する熱い思いを語ってるんだけど、最近は手ごたえがあるというかコメンテーターさんとかも「1球くらいなら良いよねぇ」という同調圧力めいた言い回しになってきてるんだ。


 正直に言って「もろたぁ!」って思ったね。


 SNSとかがほとんどないこの世界だと、TVやラジオ、新聞の影響力は絶大だ。当然、そのTVに出てる知識人と呼ばれる人たちの意見も影響力が絶大で、僕の活動にこういうコメントをしてくれる人が一人居ると居ないとじゃ世間様の受け取り方が段違いなんだよね。あとは甲子園の場で上手くマウンドに立ちたいけど立てないって空気をお茶の間に感じさせればミッションコンプリート。次かその次くらいの大会できっと魔球が解禁される……と良いなぁ。


 まぁ、もし仮にダメでも高校生最後の大会のラストバッター相手という究極の逃げ道はあるんだけどね。流石に色んな所に迷惑かけるからやりたくないけど、まぁそういう最終手段も僕にはあるって話だ。甲子園大会で魔球を投げる。生まれる前からの女神様との約束だからね。約束は守らないと。


 さて、明日は北埼玉デッドボールの試合だ。北埼玉デッドボールの方も夏休みは稼ぎ時って感じで試合を多めに組んでるみたいで、僕が甲子園に出場するまでになんと8試合も行う事が決定している。メンバーは大丈夫なのか心配だったんだけど、ブーさんが相方さんを含めた動ける芸人さんを結構連れてきてるみたいで1月の間なら臨時増員的な事でなんとかなるみたい。まぁ、公式戦じゃないしね。


 ただ結構な人気者の芸人さんも交じっててこれギャラとか大丈夫なのかが心配になるんだけど。あ。趣味の範囲なんで無報酬? むしろタダで北埼玉デッドボールに居たって名乗れる方が美味しい? うーん、それは確かに。僕も3年前にほぼ同じことやったからね。そこについては否定できないなぁ。



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