第六章 シカ部、登場
有馬かな 「 ばしゃめ、あんたの部活動、 農業部なの…?」
ばしゃめ 「シカ部ですよ〜おにぎり食べますか〜?」
有馬かな 「シカ部って何?ていうか おにぎりいらん。さっき言った…」
ばしゃめ「ばしゃめのおにぎりは…」
有馬かな
「いらん、しつこい。 まずシカ部説明しろ。」
天野陽菜 「簡単に言うと、この人達かな………」
「私がシカ部部長の、のこたん!」
鹿乃子のこが元気よく名乗る。
「待て待て待て、私が部長だ…!」
虎視虎子が対抗する。
「その人の妹が私、あとね…♡おねえちゃんはね…」 虎視餡子が甘えた声で続ける。
memちょが彼女たちを見て突然叫ぶ。
「待って!?鹿乃子、あんた角生えてない!?」
「そうだよ〜」 鹿乃子のこがにっこり微笑む。
memちょは爆笑する。
「ちょっww うけるんだけどww ねぇww
配信のせていいwww? これwww?」
「鹿乃子の角見て喜ぶ人初めてみた…」
虎視虎子が呆れる。 「ほんとに…」
虎視餡子も苦笑する。
有馬かな 「ねぇ…陽菜…同じ部活動か なんか知らんけど…なんで全員誘ったの…?!」
天野陽菜 「雪野さんが言ったんだ…
人見知りを直したほうがいいって」
有馬かな
「こんだけ多いのにまだ増やす気なのあんた…?
ていうか雪野ってだれ?シカ部の顧問…?」
天野陽菜 「顧問の先生じゃないよ…」
有馬かな「えっ…?」
天野陽菜「後、シカ部にも入っていないんだよね…」
有馬かな 「ちょっ…えっ…?はぁっ…!?シカ部でもない…!?」
memちょ
「ねぇねぇねぇどういう事なのかなぁ〜w ?
ねぇ? 陽菜〜?教えてくれるかなぁ〜w ?
説明して〜おねが〜いwww後さぁ………」
memちょは配信をミュートにし
陽菜にゆっくりと近づき肩を掴み囁く
(…こんなめんどくせぇ連中にさ…必死に笑顔で
対処している あたしの気持ち考えろや…おい…)
天野陽菜 「……………。」
言葉が、出ない
星野ルビー
「陽菜……」
有馬かな「だれよ…その雪野って人……」
天野陽菜「……………。」
星野ルビー
「……………教えてくれる…?陽菜…やっぱり…
その人の事詳しく知りたい…雪野百香里さんのこと…」
有馬かな「雪野…百香里……?」
陽菜は《数日前》に
雪野という女性ついて話していた。
日野高校、『シカ部』と
書かれた板の張り付けられた
古い物置、そしてばしゃめが苗を
埋めている最中の事だった…
memちょ(通話中)
『ルッ、ルビー!!本当なんだってば!信じてよ!!』
星野ルビー
『いや…黒猫ってあの中二病の娘でしょ…?』
memちょ(通話中)
『ちゅっ……中二病……?』
星野ルビー『もういい…しつこい……じゃあね……』
memちょ(通話中)『まっt』
星野ルビー 『しばらく………電源切るか……』
天野陽菜『何の…会話してたの…?』
星野ルビー『なんか人の言葉を話す黒猫を見たって』
天野陽菜『黒猫って桐乃ちゃんの仲良しな子だよね…?』
星野ルビー『うん……ところで…その…ばしゃめ米のことなんだけど…』
天野陽菜『………やっぱり……変かな……』
星野ルビー『……いや、覚えやすくていいと思うよ。ていうかそんなことで悩んでたの……?
天野陽菜「うん……。」
星野ルビー
「陽菜らしいし、ばしゃめ米、呼びやすい名前だし
かなの言う事なんて気にしなくていいよ。』
天野陽菜
「えっ……?」
星野ルビー
「名付け親なんでしょ? ばしゃめ米って……」
天野陽菜
「……ううん。あたしじゃない。」
星野ルビー
「……じゃあ、誰?」
天野陽菜
「少し…変わった人だった。
星野ルビー「変わった…人…?」
天野陽菜
「うん…あたしのバイト先に、毎日のように来て……
コーヒーと……板チョコばっかり食べてた。」
星野ルビー
「それって……暇人ってこと…?
ていうか、持ち込みOKだったの!?」
天野陽菜
「注意はしたよ、ちゃんと。でも……その人、
まさかの――教師だったの。
雪野百香里さんっていう、変わった先生……」
星野ルビー
「先生……?」
天野陽菜
「……あの人がいなかったら、
たぶん私は、
ばしゃめちゃんを救えなかったと思う……」
風がふっと吹いた。
言葉の先に名前は出なかったけれど、
ルビーはそれ以上、何も聞かなかった。
天野陽菜
「……なんか元気が出たよ…ありがとう。
それじゃ、手伝ってくるね!
じゃあね、ルビー!」
星野ルビー 『うん…』
(2人は仲いいんだね… まるで姉妹みたい…
それにしても……雪野百香里って人……
あの人がいなかったら…
ばしゃめちゃんを…救えなかった…)
『もしもし…あかね…?あの…
ちょっと調べてほしい人がいるんだけど…
えっと…雪野百香里って言う教師………』
数時間後
黒川あかね『調べてきた。雪野さんの事』
星野ルビー 『ありがとう。ていうか…はやいね…』
黒川あかね
『古典の教師だったらしい…』
星野ルビー
『へぇ…古典の教師……
だったらしい…?過去系だけど…?』
黒川あかね
『うん……その人…教師を辞めたみたい…』
星野ルビー『えっ…なんで…?』
黒川あかね
『いじめを受けてた…らしい、生徒から…』
星野ルビー
『えっ…なに…めちゃくちゃ重いじゃん…』
黒川あかね
『それと…陽菜の言っていた…その人が
チョコレートばかり食べている
理由わかったかも知れない……』
星野ルビー 『理由、それって…?』
黒川あかね
『味覚障害…………かもしれない………
かつて私もいじめを受けていたから……
その人の気持ち…すごくわかる気がする……』
星野ルビー
『それってあかねが………
SNSで誹謗中傷を受けていた時期……』
黒川あかね
『うん…あの時なに食べても味がしなかった
でも今はルビー達がいてくれたから…
今こうやって東京ブレイドで活躍してる。』
星野ルビー
『味覚障害…そんなに酷い状態だったんだ…』
黒川あかね『今は、行方不明になっている…… 数ヶ月前から…』
星野ルビー 『行方不明?!それって………
いじめが原因で……まさか………じ…じさ…』
黒川あかね
『やめてよ…そんな事…
するわけ無いでしょ…
元教師なんだから……』
星野ルビー『…………』
《そして…現在…マンション…》
星野ルビー
「陽菜、ごめん…でも… ずっと…
気になってたから……
本当は言いたくなかったけど…
雪野百香里さんは新宿高校の教師…
古典の授業を担当していた…
でも……やめたんでしょ…
生徒からの嫌がらせで…その人………」
天野陽菜「なんで…知ってるの…?」
星野ルビー 「あかねに調べさせてもらった…
さっきからずっとさとうさんに
問い詰められてからずっと……
部屋の端で うずくまってるけど………」
有馬かな
「はあっ!? 生徒のいじめで教師が辞める?
どんだけ腐った学校よ……」
星野ルビー
「……陽菜。あんた、その人のこと……
守ろうとしてたんでしょ? ずっと……」
天野陽菜
「…………………。」
有馬かな「バッカじゃないの………?」
陽菜「えっ…?」
有馬かな「なんで……私に相談しないの……?
1人でいつもそうやって抱え込んでんの…?」
memちょ
「詳しくおしえてよ…」
(いじめってやつか、とりあえずゴミは処理しないと)
星野ルビー「無理とは言わないけど……」
有馬かな「あんたの過去に何があったのよ……?」
天野陽菜 「……話すよ…ちゃんと…」