第十章 ばしゃめ米誕生
そして現在
ばしゃめはおにぎりを作っていた。
有馬かな 「へぇ…そんな事があったんだ…」
memちょ 「ていうか…おにぎり…うまそう…」
ばしゃめ 「おにぎり出来ましたよ〜長野原さ〜ん」
長野原みお
「よし…じゃあそろそろ…ばしゃめ米のおにぎりを…!」
有馬かな 「貰っていい…?」
星野ルビー 「あたしも…」
memちょ 「あっじゃあ、あたしも」
黒川あかね(……………………。)
無言で手に取る。
星野ルビー
「あかね……どうしたの……手が震えてるけどさ……」
虎視虎子「おにぎりにはやっぱりしお」
虎視庵子「ちゃんとかけないとね…」
黒川あかね「ひっ……!」
神戸しお「美味しそうだねさとちゃん…!」
松阪さとう 「そうだねしおちゃん!」
みお「待って…!」
なの「これがばしゃめ米…」
はかせ「食べよ〜」
ゆっこ「じゃああたしも…!」
まい「食べる…」
みお
「待って……!待って!
あたしが食べるって言ったよね!!?
かなさっきいらんていったじゃん!!
しかも2回も!!」
有馬かな「………………。」
みお
「おい無視すんな!!あたしの分は!?
ねぇ…あたしの分は!!?
焼き鯖しか食べてないんだよ!?」
はかせ
「うそついたんだ〜バチがあたるよ〜
しかもさっきいたよはかせ、ダサいなま…」
有馬かな「黙ってろ」
陽菜「ドンマイ…」
そのとき、ふと陽菜は手を止めて、
夜空を見上げた。
湯気の立ちのぼるおにぎりと、
にぎやかな声たちの中で、
まるで時間がひとすじだけ
逆流するような静けさが流れる。
「…雪野さん…教師…やっているのかな。
もしも教師をやっていたら…
その時は、見せてあげたいな…
制服を着た…高校生になった私を…」
雪野百香里はどこかの高校で
教師となっている…古典の授業をやっている。
…陽菜は信じていた。
そしてまた、にぎやかな笑い声が戻ってくる。
みお
「ばしゃめ!? まだあるよね…炊飯器に!?」
ばしゃめ「もうありませんよ〜」
なの「稲から米が出来るのは…
計算すると……約3ヶ月後…ですね…」
memちょ「3ヶ月後って12月じゃん…w 」
星野ルビー「覚えてるかな…あたしたち……」
有馬かな「忘れるわけないでしょ…こんな夜………」
部屋に、静寂。
――いや、静寂は、3秒だけだった。
「…全ての元凶はお前だろ?」 ゆっこ「えっ…みおちゃん何を…?やめt」 次の瞬間、みおのドラゴンスクリューにより ゆっこの《悲鳴》がマンションに響き渡った。 《《《うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!》》》
Ending
〜September - Earth, Wind & Fire〜
〜完〜
コンコン…
「あの…近くの人なんですが……」
星野ルビー
「えっ…なに…⁉まだ終わらないの…………!?」
有馬かな
「えっ…なに今の空白⁉〜完〜って
出でたじゃん!!memちょ、音楽止めて…!!」
memちょ「う、うん…!………チッ」
《ドガッシャァァァァァァァンン!!!》
memちょのハイキックにより、
TEAC LP-R550USB-WA、砕け散る
有馬かな「ぎゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
星野ルビー「13万2200円のレコードプレイヤーが!!!!」
memちょ「しょうがないでしょ!!」
はかせ「あwほんとにバチがあたったwww」
天野陽菜
「ちょ…ちょっと……!」
(なにこの状況……!?
あたしが出るしかないじゃん………
ていうか……さっきの声………どこかで…………)
レコードと砕け散った
木目の残骸が、
光を浴びてきらめき、黒いレコードの欠片が
まるで夜空の破れた星のように宙を舞った。
天野陽菜の心臓が、ドクンと高鳴った。
あの声――ドアの向こうから聞こえた、
柔らかく、風のような優しい響き。
有馬かなの絶叫、
星野ルビーの嘆き、
memちょの怒鳴り声――
すべてが遠くに溶け、
TEAC LP-R550USB-WAの破片の雨が降る静寂の中、
制服を着た、高校生に戻った
天野陽菜は……
震える手でドアノブを握った。
そして、ドアを開けた…
天野陽菜「えっ……?」
「…………久しぶり………陽菜………」
天野陽菜は涙を溢した。
雪野先生「涙、バレてるわよ…」
ードアを開けると、雨の日が好きな人がいたー




