13話 ー前期魔王、襲来ー
治療が終わり、何とか退院出来た俺だったが、
「兄さん、」
「ん、何だ?」
「僕はもっと、強くならなければならない。」
「どうしたー?急にッ…!?」
兄さんは恐怖した。
勿論"俺"に、だ。
異彩を放つ、その執念深さが、
オーラとなって、幻出した。
「僕は………もっと………」
「だ…だが、お前はもう十分強いだろ?」
兄さんが、俺の肩に手を置いた。
「それじゃダメなんだッ!」
俺は、兄さんの手を払って、言った。
「こんなのじゃ…十二聖王神の力には…
父さんの力には届かないッ!」
「……ッ!」
俺は、まだ…俺はまだ…!
そう、思い詰めていた頃、
「ねーねー、お兄さん!」
……幼女?
「…………どうしたんだい?迷子?」
抑えきれない屈辱感を胸にしまい、そう言った。
「……まだその剣を、使いこなせていないのか?」
そこに居たのは_
紛れもない、見間違うはずもない。
幼女は、前期魔王だった。
「ッ!」
思わず剣を構えてしまった。
「待て!アレク!」
「………分かりましたよ、」
剣をしまった。
兄さんは幼女(前期魔王)に近づいて、
「大丈夫ですか?マドモアゼルー☆」
…………………兄さんはロリコンだった。
「あ、…はい。大丈夫です。」
幼女はすっとぼけ、大人な対応をした。
「………そうか。」
兄さんは幼女が好きなようだ。
そんな事実に目を瞑りたくなる日々。
だが俺は最終決戦に向けて、準備をするのだった。




