表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同い年  作者: yukko
6/81

主任

もうすぐ退職する内山先輩にしか相談できなかった。

弥生ちゃんが言っている意味が解らなかったのもある。

屋上でベンチに座って、先輩とお昼休みにジュースを飲んだ。

その時に主任のことを話した。

小さな声で誰にも聞かれないように……。


「先輩、あの……主任のことですけど………。」

「うん。何?」

「弥生ちゃんが……後ろから急に抱き上げられるの嫌やって言うてて……。」

「うん。」

「それで……弥生ちゃんは股間を当ててるって言うてます。」

「うん。当ててる。」

「えっ? そうなんですか?」

「分からへんかった?」

「はい。」

「あの主任、固くなった股間をお尻にわざと当ててはるねん。」

「?……あの、それって何でですか?」

「えっ?……浩ちゃん、男の人と付き合ったこと……。」

「ないですけど。」

「ない! そうやった。無かったんや……分からへんわな……。」

「先輩?」

「なんて説明したらエエのやろ……。

 痴漢や! 痴漢! それと同じなんや。」

「主任は会社で痴漢してるんですか?」

「早よ言うたら、そのままや。」

「どないしましょ? 弥生ちゃん、絶対に嫌やって……

 私も怖なりました。」

「どないも出来へんねん。訴えるとこ無いさかい。」

「………弥生ちゃん……田口君も嫌やと思います。」

「誰もエエと思わへんわ。うちの主人も同じやで。」

「そうですよね。……どないしよ。」

「ちょっと考えるわ。」

「お願いします。」


給湯室で次に抱き上げられたら私は大声で「きゃぁっ!」と叫ぶことにした。

やらねば!と心に決めた。


内山先輩は別の方法を選んだ。


「川口君、今日、帰りに少し話があるねん。」

「えっ? 大胆ですね。人妻が……。」

「うちの人にはもう話してる。

 途中になるけど、来るから!」

「そうですか。お付き合いします。」

「頼むわね。」


そして、主任のことを内山先輩はご主人と一緒に川口君に話したのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ