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同い年  作者: yukko
47/81

参謀

タバコを(くゆ)らせている4人が座っていると、もう誰も来なかった。

タバコの煙が嫌な女子社員は敬遠するし、座る場所を4人に陣取られていると誰も入れなかったのである。

その中で年長者の金沢が他の3人を引き連れているように見える。

その金沢が最初に口火を切った。


「さぁ……どないする?」

「問題は、あの佐藤さんですね。」

「うん。何をするか分からんからな。」

「まぁ、川ぐっちゃんに惚れてるからな。」

「佐藤さんに知られずに川口君と連絡を取りたいな。

 ……山本君。仲良かったな。」

「はい。」

「家に電話架けたことあるか?」

「無いです。」

「そやろな……。」

「俺で良かったら、電話架けますよ。」

「ほな、連絡係は山本君で!」

「はい!」

「あの……喉、乾きません? 俺、ジュース飲みたいんです。」

「ほな、買っておいで。」

「俺の分も頼むわ。」

「ほな、俺と行こか?」

「小野さん! 優しいなぁ~。」

「金沢さんの分も買ってきますよ。」

「ほな頼むわ。」

「俺は…コーヒー。」

「俺も同じで!」

「ほな、俺も同じで。」

「3人同じですか?」

「せやな。」

「ほな、俺はオレンジジュースにしよ。」

「山もっちゃん、お子ちゃまやな。」

「そうですよ。この作戦練ることにワクワクしてる子どもです。」


飲み物を買い、再び作戦を練る4人だった。


「このままやったら、なかなか誘われへんなぁ。」

「せやな。所属が違うって困るな。」

「自然に会う機会を作るしかないな。」

「やりましょ! それっ!」

「山もっちゃん、やる気満々やな。」

「ワクワクしますわ。」

「もうすぐ祇園さんやな。祇園さんに誘うか?」

「ええですね。祇園さん。」

「7月やしな。けど、誰が行くんです?」

「みんなで行ったらええ!」

「うう~~ん。俺、言いにくいです。妻に。」

「そうやなぁ~、言いにくいわな。」

「子どもを妻の両親に見て貰って、夫婦で参加とかは?」

「それがエエなぁ。妻孝行やし、妻の両親に対しても孝行出来る。」

「それで行こ。……後は、山田さんだけを誘ったら来て貰えへんかもしれんな。

 それはアカンから……田口さんも夫婦でどうぞって誘うか?」

「それ、ええですね。」

「ほな、山本君は川口君の家に電話して!」

「はい。」

「ほんで、女性二人には、俺から誘うわ。

 それでエエな。」

「はい。金沢さんにお願いします。」

「うわぁ~~っ、ワクワクする。

 なんか、こう……中学生みたいですやん。友達のために動く中学生。」

「中学生?……せやな。中学生や。俺ら……勝手に応援する中学生。」

「ジュースとコーヒーですもんね。アルコール抜きやから中学生や。」

「ええか? 昼休みが終わるまでに決めなアカンさかいな。」

「はい。進めてください。」

「ほな、後は日にちを決めよ。祇園さんは1か月掛けて行う祭りや。

 ちゃんと日にちを決めなアカン。」

「ほな、いつにします?」


その様子をガラス越しに見ていたのが、中野主任だった。

中野主任は席に戻ると、大きなため息をついた。


「どないした? 中野君。」

「西川主任、あの…うちの若い(もん)

 なんか知らんけど、集まってますわ。」

「集まってるのは、いつものことや。」

「なんか違いますねん。悪だくみしてる生徒みたいです。」

「そうか……まぁ、高校生に毛が生えたようなもんやしな。」

「ホンマにそうですわ。」

「中野君から見てもそうかいな?」

「そりゃあ、息子みたいなもんですから。」

「そうや。息子らや。」

「それはそうと……あの子、なんとかならんかなぁ。」

「あぁ……あの子は、困りますね。」

「急に主任からなんか言われたら嫌やろうから……

 先ずは山田ちゃんから注意してもらおか。」

「そうですね。それでも変わらんかったら出ますか?」

「せやな。ほな、山田ちゃんに頼もか……。」

「はい。」


西川主任が山田浩子を呼んだ。

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