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同い年  作者: yukko
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眠れない夜

山田さんを家まで送って帰る途中で、どこかで夜空を見ながら言うつもりだった。

自分の気持ちを伝えたかった。

そのつもりだったけれども、最初から躓いた。

新入社員の佐藤さんが付いてきたのだ。

一緒に帰りたいと言った。

断ろうとしていたら、吉田さんが助けてくれた。

約束などしていないのに、約束していると嘘をついてくれた。

それなのに、駅の改札口で駅舎に入ろうとしなかった。

吉田さんと山本さんや現場担当は約束しているのを知っている。

僕は誘われていたが、「山田さんと約束しているから…。」と断ったのだ。

現場担当が飲む約束をしている居酒屋まで付いて来たのだ。

参った。

「帰るよう」に何度も促したが、聞いてくれなかった。

言葉はキツかったようだけれども、「佐藤さんに関心がない」ことはしっかりと伝えた。

やっと帰ってくれた時に「川口さんは、もう一度会いたいと思う。」などと僕の気持ちまで勝手に自分の都合がよい方に変えていたことに驚いた。


そうだ。

僕が……自分の気持ちをはっきり自覚したのは異動で本社勤務になってからだった。

その前から好きだったのに……気づかないようにしていただけだった。

だから、チャンスだったのだ。支社に仕事で行く日が……。

知りたかったことを聞けなかった。

見合いはどうなったのか……噂では「断った。」ということだったけど、山田さんからは聞いていない。

それさえも聞けなかった。

緊張していたのだ。思ったよりも……。


山田さんの自宅の最寄りの駅に着いて、これから家まで送る時に「聞きたいこと」「伝えたいこと」を話すつもりだった。

つもりだったのに……山田さんのお父さんが待っていた。

予定外だ。想定外だ。

そのまま帰るしかなかった。

もう一度、チャンスが欲しい。

無理なく誘いたい。今度こそは強引に…ではなく、自然に会えないものだろうか。


あぁ……今日は後悔ばかりで眠れそうにない。

伝えたかった。


「好きです。」と……。

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