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同い年  作者: yukko
43/81

尋問

家に帰ると、母の優しい声が嬉しかった。


「お帰りなさい。」

「ただいま。」

「お父ちゃん、心配してはってんで。」

「うん。ごめんなさい。」

「電話架けてくれてたら安心やからね。

 次からは電話架けてね。」

「はい。」

「浩子、ここに座りなさい。」

「何? お父さん。」

「座りなさい。」

「はい。」

「あ……あのやな。……どういう……。

 あの男とは、どないな関係や!

 送ってくるって、そういう関係か?

 はっきり答えなさい。」

「何? なんやの? 浩子に、そないな人居てるの?」

「浩子! どないなんや!」

「お父さん、どないな関係って言われても……ただの同じ会社の人やねんけど。」

「ただの同じ会社の人が、家の近くの駅まで送ってくれる訳ないやろ。

 それも、改札出てたやないかっ!」

「そないな関係って、どういう意味なん?」

「そやから……そやからな。……浩子、あの男と付き合ってるんか?」

「まぁ……浩子、あんたに、やっと春が巡って来てくれたんやね。」

「お父さん、お母さんも、違うから。」

「違うって? ホンマか?」

「うん。付き合ってないよ。」

「ホンマにホンマか?」

「うん。ホンマにホンマ。」

「まぁ……浩子……残念やわ。やっと春やと思ったのに……。」

「お母さん……。やっと春って……。」

「浩子にも恋をして欲しいとお母ちゃんは思うてるんよ。

 恋って素敵やし、恋ってしたことあらへんから……私は…。」

「恋したことあらへん!って……そない言うけど、デートしたやんか!」

「お父ちゃん、デートしたけど、お見合いやったから……。」

「それは……そうやけど……。」

「もう、エエかな? 私は……。

 お母さんとお父さんの話になってるさかい。

 もう、寝るわ。」

「浩子、ホンマに付き合ってないんやな。」

「付き合ってません。」

「分かった。それやったら、それでエエんや。」

「お父ちゃん、そないなこと言うてたら、いつまでも浩子に春は来ませんよ。」

「別に居てたらエエ。家に居てたらエエ。」⦅本音なんやから、しゃーない。⦆

「お父ちゃん……。そないなこと……。」⦅もう、お父ちゃんは!⦆

「おやすみなさい。」


父と母の攻防が長く続きそうだったので、お風呂に入った。

湯船につかりながら、川口君と二人だけで過ごした時間を想った。


⦅一生の想い出になるね。

 ……私、川口君のこと好き……やったんや…なぁ……。⦆

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