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同い年  作者: yukko
15/81

仕事を終えて帰宅すると、居間で両親を前に弟が話していた。

「ただいま。」の声も聞こえないほどの話だったようだ。


「ただいま。」

「あ……お帰り。」

「姉ちゃん、座って。」

「今から御飯、食べるんやけど……。」

「座って。」

「なんなん?」

「姉ちゃん、俺、結婚するから……。」

「けっ…こん?」

「うん。」

「そやからね、もうちょっと後にしなさい。ねぇお父さん。」

「ちょっと待って。結婚って、するの?」

「うん。」

「幸一郎が大学卒業したら直ぐに結婚するいうて聞かへんのや。」

「幸ちゃん、彼女ともう、そんな話出てるんやね。」

「父さん、母さん、俺の気持ちは変わらへんから……。

 姉ちゃん待ってたら、ずっと彼女を待てせてしまうやん。

 俺も彼女も就職が決まったから、もう卒業までに婚約したいんや。」

「幸一郎……まさかとは思うけど、出来たんか?」

「出来た?」

「赤ちゃんや。そんなに結婚、急ぐんやから…。」

「出来てないよ。」

「ホンマか?」

「ホンマや。」

「急ぐ訳は姉ちゃんに何の気配も無いからや。」

「……ええやん。結婚したら!」

「順番がちゃう!」

「お父さん、お母さん、ええと思うで。

 今時、順番って誰も気にせえへんわ。」

「アホかっ。順番、今も気にする人はおる。」

「せやけど……仕方(しゃあ)ないやん。

 幸ちゃん、もう決めてしもうたら? 二人で……。」

「浩子!」

「お父さん、順番、気にせんといてよね。

 私、元気で働けてるから心配せんといて。」

「父さん、母さん、今度挨拶しに行ってきます。日も決まってます。」

「なんや……もう何もかも決めてるんや無いか。

 幸せになりぃや。」

「父さん!」

「お父ちゃん、順番。」

「お母ちゃん、もう仕方(しゃあ)ない。

 先方への挨拶、親抜きでええんか?」

「行ってくれるん?」

「行くしかないやろ。」

「ありがとう。お願いします。」

「幸ちゃん、良かったね。幸せにならなアカンよ。」

「うん。姉ちゃん。

 姉ちゃんも早よ見つけなアカンで。

 もう年増になってしまうで。」

「放っといて!」


弟の結婚は直ぐに決まった。

若いから結納は無しにしたようだ。

結婚は1年後、式場も決まり新婚旅行先も決まった。

会社で弟の結婚を話すと、弥生ちゃんは「弟さん、同い年ですね。彼女と…。」と言い、「私も同い年、内山先輩も同い年、先輩の同期の人も高卒の同期同士の結婚やから同い年ですね。同い年、多いなぁ。」と言った。

よくよく見ると、周囲の既婚者は同い年が多い。

私は「ホンマ、みんな同い年やわ。」と答えた。

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