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同い年  作者: yukko
13/81

変化

内山先輩が退職された後の仕事は弥生ちゃんが継いでいた。

弥生ちゃんは新婚さん、いつか……もしかしたら間もなく赤ちゃんが出来て退職するかもしれない。

その後はもしかしたら高校卒業した新入社員が来るかもしれない。

年の差が6歳以上になるなぁ……と思いながら、次の書類を手にした時、(うなじ)を……。


「キャっ!」

「なんやねん。」

「……ビックリしました。」

「ビックリしたからって、そないな大きい声出さんでもエエやないか。」

「済みません。」


隣の課のあの主任だった。

係の人達の目が私と主任に集まった。

隣の係の人の視線も……。

係長が中野主任と目を合わせた。

うちの中野主任が席を立って、あの主任に近づいた。


「主任、何か仕事で?」

「いや………ちょっと通っただけや。」

「そうですか。仕事のことでしたら僕にお願いしますよ。」

「お…おう。分かってる。」

「ほな、お願いします。」


中野主任に声を掛けられて、あの主任は逃げるように自分の課に戻って行った。


「あの……中野主任、ありがとうございました。」

「いやいや、係長がな……目で行って来い!って……。

 山田さんが声出してくれたから行けた。

 これからも今みたいにしたらエエで。」

「はい。ありがとうございました。」


隣の席の弥生ちゃんが「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれた。

「うん。」と頷き笑顔を見せると、弥生ちゃんも笑顔で返してくれた。

全て内山先輩のお陰。

そして、分かってくれた係の人達のお陰。

課長と係長の理解あってのこと。

あの日、あの送別会で内山先輩は震えていた。

震える手を震えを押さえるかのように、強く両手を繋いでいた。

話し終えて私と顔を合わせた瞬間、内山先輩は愛おしそうにお腹を優しく撫でていた。

そして、「ごめんね。ビックリしたね。」と小さな声で呟いた。

凄く勇気が要ったのだ。

そして、その勇気は報われた。


この後、この主任の行動を係長は課長に伝え、課長は隣の課の課長に伝えた。

そして、あの主任は課長から厳重注意を受けたそうだ。

フロアの人の目が変わった瞬間だったかもしれない。

それからは、給湯室で後ろから抱き上げられることは無くなった。

快適な職場環境になったのだ。

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